SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」169のターゲットをわかりやすく
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
SDGsには17の目標と169のターゲットが制定されています。
各目標の中に、10個程度のターゲットが存在します。
その中でも今回は、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の169のターゲットについてお話していきます!
この記事は、
- 169のターゲットとは?
- SDGsについてもっと詳しく知りたい
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
SDGsとは
SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
持続可能な開発とは、国際連合広報局によると「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義されています。
また、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すため、世界全体の経済・社会・環境の三側面における課題を総合的に解決すべき国際目標として掲げられています。
そしてSDGsは、17の目標と169のターゲットから構成されており「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
そのためには、発展途上国だけでなく先進国も積極的に取り組まなければなりません。
まとめると、SDGsは「地球環境が破壊されていく中で、子どもや孫世代にいい地球環境を残せるように世界全体で目標を定め、共に力を合わせて達成していこう」ということです。
ざっくりまとめてしまいましたが、なんとなくそんな感じのことなんだなと理解していただけたら十分です!
※SDGsについては以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
目標14「海の豊かさを守ろう」
SDGsの17の目標の14つ目「海の豊かさを守ろう」です。
「海の豊かさを守ろう」では、「世界の海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用すること」を目標としています。
現在、海洋汚染や海面上昇、海洋生物の減少など海に関する問題がたくさんあります。
McKinsey Sustainability(2015)によると、世界では毎年800万トンものプラスチックごみが海に流入していると推定されています。
また、現在の傾向のままでは海洋のプラスチックごみの世界量が2025年までに2億5000万メートルトンになり、ほぼ倍増する可能性もあるといわれています。
このままでは世界中の海の状態が悪化してしまうので、早急に対策が必要になります。
※「海の豊かさを守ろう」については以下の記事に書いているので、ぜひ参考にしてください!
「海の豊かさを守ろう」のターゲット
「海の豊かさを守ろう」は、「14.1~14.7」と「14.a~14.c」の計10個のターゲットから構成されています。
ターゲットとは、目標をより細かく具体的に表したものです。
以下が「海の豊かさを守ろう」のターゲット一覧です。
14.1 | 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。 |
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14.2 | 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。 |
14.3 | あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。 |
14.4 | 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。 |
14.5 | 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。 |
14.6 | 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。 |
14.7 | 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。 |
14.a | 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。 |
14.b | 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。 |
14.c | 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。 |
「海の豊かさを守ろう」のターゲットは大きく7つに分けられます。
- 海洋汚染を防止する
- 海の生態系を守る
- 漁獲量を制限する
- 海域を保全する
- 開発途上国の支援・開発をする
- 小規模漁業の漁師のアクセスをよくする
- 海の豊かさを守る
一つずつお話していきます。
1.海洋汚染を防止する(ターゲット14.1,14.3)
ターゲット14.1,14.3には、海洋ごみや富栄養化(プランクトンなどのエサが増えすぎること)、海洋酸性化(海水がより酸性になること)などあらゆる海の汚染を防ぎ、減らすことが書かれています。
特に、海洋プラスチックごみは問題視されています。
プラスチックごみは自然に分解されないので、一度海に流れ出ると回収されるまで海を漂い続けます。
海にも、海にいる生物にも影響を与えてしまいます。
また、海洋の酸性度は産業革命以前と比べて26%上昇していると言われています。
海洋酸性化によってサンゴが育たなくなったり死んでしまったりする可能性があります。
海洋汚染を防ぎ、減らすことは海を守るうえで重要な部分です。
2.海の生態系を守る(ターゲット14.2)
ターゲット14.2には、海と沿岸の生態系を守り、回復させるための取り組みをおこなうことが書かれています。
世界自然保護基金(WWF)とロンドン動物学会の調査報告書によると、海洋哺乳類や鳥類、魚類、爬虫類の数は49%減少し、人間が食べるマグロやサバは74%も減少したと報告されています。
同じ報告書で、1970年以降45年間で海洋生物の数が半減したという発表もされました。
そして、人間が食料とする生物はさらに減少率が大きいと発表されています。
海の豊かさを守るために、減少しつつある海の生態系を守り回復させていく必要があります。
3.漁獲量を制限する(ターゲット14.4)
ターゲット14.4には、海の生物多様性を奪うことなく漁ができるようにするために、漁獲量を制限し過剰漁業や破壊的な漁業慣行を終わらせ、科学的な管理計画を実施することが書かれています。
海の生物と私たち人間とが共存していくためには、漁獲量や漁獲努力量を適切に管理して、海洋資源状況の悪化を防ぐ必要があります。
FAOの2018年の報告によると、1974年~2015年の間で、持続可能でない過剰に漁獲利用された状態にある海域別魚種資源の割合は「1974年が10%、1989年には26%まで増加し、2008年には30%以上、2015年には33%」と増加し続けていると発表されています。
海の豊かさを失うことなく魚が食べられるようにするために、漁獲量を制限、管理しなければなりません。
4.海域を保全する(ターゲット14.5)
ターゲット14.5には、国内法や国際法を守りながら、少なくとも世界中の沿岸域(海岸線をはさんだ陸と海からなる区域)や海域の10%を保全することが書かれています。
海域の保全区域は海洋保護区とも呼ばれ、「海を健全な状態に維持することが重要であることを認識し、環境の保全や維持向上のための活動を展開している海域」のことです。
パラオでは、海洋保護区と保護されていない水域を比べると、保護された水域には魚が2倍多く、肉食の魚については5倍多く存在していると言います。
海域を保全することは、海洋生物の多様性を可能にすることであり海の豊かさを守ることに繋がります。
5.開発途上国の支援・開発をする(ターゲット14.6,14.7,14.a)
ターゲット14.6,14.7,14.aには、開発途上国や後発開発途上国が海洋資源や海を適切に扱えるようにすることが書かれています。
開発が遅れている国々の発展に、海洋生物の多様性が貢献できるようにすることが目標です。
漁業や水産物、海の観光業など海洋資源が、開発途上国の持続可能な経済発展に繋がるようにするも目標です。
6.小規模漁業の漁師のアクセスをよくする(ターゲット14.b)
ターゲット14.bには、小規模で漁業をおこなう漁師たちが、海洋資源や市場を利用できるようにすることが書かれています。
大きな水産会社だけでなく、誰もが海の資源を利用できるようにすることが目標です。
また、市場へのアクセスを可能にすることで、漁業で生計を立てていくことができる人たちが増えます。
誰もが海洋資源を利用できるようにすることで、貧困や飢餓をなくすことにも繋がります。
7.海の豊かさを守る(ターゲット14.c)
ターゲット14.cには、海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化することが書かれています。
「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」で採択された「私たちが望む未来」では、海洋保全の大切さを述べられました。
海と海洋資源の保全と持続可能な利用のための法的な枠組みを定めた国際法(国連海洋法条約)を実施し、海の豊かさを守ることが目標です。
海の豊かさを守り枯渇させないために、海と海洋資源を保護していく必要があります。
まとめ
SDGs「海の豊かさを守ろう」のターゲットについてお話しました!
169のターゲットと聞くと「多い」と感じてしまいがちですが、1つの目標ごとに見ていくと実際そんなに多くも難しくもありません。
また、ターゲットを知っておくことで、SDGsの目標への理解や課題もより鮮明になります。
理解を深め、よりよい社会を一緒に作っていきましょう!
最後まで読んでだたきありがとうございました!
※「陸の豊かさも守ろう」については以下の記事で書いているので、ぜひ興味のある方はご覧ください!