【環境先進国】北欧に学ぶ!サステナブルな教育と取り組みについて
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、環境先進国の環境教育と取り組みについてお話していきます。
2021年版のSDGs達成状況レポート「Sustainable Development report」の上位3ヵ国にすべて北欧の国がランクインしています。
北欧では、一体どんな取り組みを行っているのでしょうか。
この記事は、
- 北欧の環境教育が知りたい
- 北欧の環境問題への取り組みって?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
環境先進国のSDGs達成度合いは?
2021年版「Sustainable Development report」のランキングでは、1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークという結果でした。(参照※1)
「Sustainable Development report」は、SDGsの達成状況を数値化したレポートで2016年から発行されています。
そして、発行された2016年から常に上位を占めているのが北欧の国です。
SDGsの達成度合いが高い北欧は、北欧理事会に属している「デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド」の5ヵ国です。(※2)
北欧理事会では、2017年9月5日に「2030世代プログラム」を立ち上げ、所属している5ヵ国が協力してSDGsの目標達成を目指しています。(※3)
今回は、その中でもフィンランド、スウェーデン、デンマークの3ヵ国の環境教育や取り組みについてお話していきます。
※SDGs達成状況レポートについては以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください。
フィンランド
フィンランドは、日本より国土面積が狭く人口も約550万人ほどで、国土の70%を森林、10%を湖が占めている自然が豊かな国です。
また、教育費や医療費、様々な社会保障が税金で賄われている国でもあります。
環境教育
フィンランドでは、基礎学校と呼ばれる学校で9年間義務教育を受けたのち、普通高校や職業高校に進学します。
その9年間の義務教育の中に「環境」という科目があり、学校で身近な環境問題について学びます。
低学年の場合、リサイクルのことや動植物の種類、自身の健康について学び、高学年になると、大気や水などの物理や化学の分野と環境問題への繋がりなどより高度なことについて学びます。(※4)
フィンランドは、
- 授業料が無料なため、経済的な理由で学校に通えない子どもが出ない
- 幼いころから環境問題について学ぶ機会がある
これらの環境が整っているからこそ、環境問題に対して国民全員の意識が高く、SDGsの達成度も高いのでしょう。
環境問題への取り組み
フィンランドでは、CO₂削減と食品ロスの削減が積極的に行われています。
特に、電力供給は原子力だけでなく水力や風力、バイオマスでもまかなっています。
再生可能エネルギーを活用し、循環型の電力供給に力を入れています。
また、食品ロス削減のために、
- スーパーマーケットで「ハッピーアワー」サービスの開始
- レストランで植物由来のメニューの増加
- 廃棄食材を使ったベジタリアンレストラン
などが増加しています。
「ハッピーアワー」とは、消費期限の近い食べ物を割引して販売し、夜9時以降になるとさらに割引して販売するというサービスです。
身近なところから工夫をして、サステナブルな暮らしを実現させているようです。
スウェーデン
スウェーデンは、日本の約1.2倍の国土面積ながら人口は約1030万人ほど。
大半が針葉樹林におおわれていて、フィンランド同様自然が豊かな国です。
日本でも人気のあるIKEAやH&Mは、スウェーデン発祥の企業です。
環境教育
スウェーデンでは、幼稚園から環境教育が導入されています。(※5)
子どもたちが自然と触れ合いながら、環境について学んでいきます。
環境教育に関しての法令やガイドラインは、スウェーデン環境省と教育庁が決めています。
幼少期から環境教育が始まりますが、授業で「環境」という専門的な科目はありません。
しかし、各教科で環境教育にも触れて授業を行うそうです。
環境問題への取り組み
スウェーデンは、家庭から出るゴミのリサイクル率がなんと99%。(※6)
ほぼすべてのゴミがリサイクルされています。
廃棄物の約50%は、焼却施設でエネルギーに変換され、国内に供給されています。
ゴミから作られるエネルギー量は、81万世帯分の熱と25万家屋分の電力に相当します。
また、缶やペットボトルはデポジット制で、空のボトルを返却するとお金が返ってきます。
スウェーデンでは、驚異のリサイクル率でゴミを削減し、新たな資源として生まれ変わらせています。
※スウェーデン企業「IKEA」の取り組みについては以下の記事で書いているので、ぜひ参考にしてください。
デンマーク
デンマークは、ユトランド半島と406の島からなる本土と、ノルウェー海沖に浮かぶフェロー諸島、グリーンランドで構成されています。
人口は約580万人で、海に囲まれた国です。
老若男女に愛されているおもちゃ「LEGO」は、デンマーク発祥の企業です。
環境教育
デンマークでは、1994年に「すべての教育に環境への配慮をいれる」という法律が導入されました。
学校で教える各科目の中に、環境に関することを入れて授業を行います。
また、1950年代には世界に先駆けて子どもたちが森の中で過ごす「森の幼稚園」が誕生しました。(※7)
子どものころから自然に触れさせる活動として始まり、スウェーデンやドイツなどにも伝わっています。
デンマークでは教育の場だけでなく、実際に子どもたちが自然と触れ合える機会をたくさん設けているようです。
環境問題への取り組み
デンマークは、再生可能エネルギーへの関心が高い国です。
特に風力発電に強い国で、2017年には消費電力の43.6%を風力発電で賄っています。
また、デンマークでは世界初の「エネルギー島(Energy Islands)」の建設が発表されました。(※8)
「エネルギー島」は、巨大な洋上風力発電の拠点となり、300万世帯分のグリーンエネルギーを供給できると推測されています。
そして、家庭に供給するだけでなく、飛行機や船などの大型車両で活用できるグリーン燃料にも変換する予定になっています。
完成イメージ図も公開されており、2033年頃から稼働予定です。
まとめ
環境先進国の環境教育と取り組みについてお話しました。
環境先進国は幼いころから自然と触れ合う機会があったり、学校の中で環境問題について学ぶことも多いようです。
国民一人ひとりの意識が高いからこそ、サステナブルな暮らしが実現しているのでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参照
※1 Sustainable Development report 2021(https://dashboards.sdgindex.org/)
※2 Nordic Co-operation「Nordic Council of Ministers」(https://www.norden.org/en/nordic-council-ministers)
※3 Nordic Co-operation「Generation 2030: Nordic programme for Agenda 2030」(https://www.norden.org/en/information/generation-2030-nordic-programme-agenda-2030)
※4 福岡女子大学「フィンランドの小学校における科目「環境」と地理教育」
※5 宮城学院女子大学発達科学研究「スウェーデンの環境政策・環境教育とエコツーリズムの課題」(https://www.mgu.ac.jp/main/educations/library/publication/pre_hattatsu/no12/hatsurin12_14.pdf)
※6 Freden J「Sweden is aiming for zero waste. This means stepping up from recycling to reusing.」(https://sweden.se/climate/sustainability/swedish-recycling-and-beyond)
※7 日本貿易振興機構「デンマークの環境に対する市民意識と環境関連政策」(https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07000452/denmark_eco201101.pdf)
※8 「This is what the world’s first energy island may look like」(https://stateofgreen.com/en/partners/state-of-green/news/this-is-what-the-worlds-first-energy-island-may-look-like/)