世界で最も大気汚染が深刻な国はどこ?大気汚染が加速する原因とは
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、大気汚染が深刻な国ランキングとその理由についてお話していきます。
新型コロナウイルスの影響もあり、一時期大気汚染が改善したというニュースがありました。
しかし、経済活動が活発になってから再び大気汚染が深刻になっている国があります。
この記事は、
- 世界で最も大気汚染が深刻な国が知りたい
- 大気汚染が深刻な国ランキングが知りたい
- 大気汚染が深刻になる原因って何?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
世界で大気汚染が深刻な国ランキング
大気汚染を調べているスイス企業「IQエア」が、世界117カ国・地域の計6,475都市の有害な微小粒子状物質PM2.5の濃度などを調査しランキング化しています。(参照※1)
2021年ランキングの上位20ヵ国を紹介します。(2022年5月現在)
順位 | 国名 | 人口 |
1 | バングラディッシュ | 1億6468万人 |
2 | チャド共和国 | 1642万人 |
3 | パキスタン | 2億2089万人 |
4 | タジキスタン共和国 | 953万人 |
5 | インド | 13億8000万人 |
6 | オマーン | 510万人 |
7 | キルギス共和国 | 652万人 |
8 | バーレーン | 170万人 |
9 | イラク | 4022万人 |
10 | ネパール | 2913万人 |
11 | スーダン | 4384万人 |
12 | ウズベキスタン | 3346万人 |
13 | カタール | 288万人 |
14 | アフガニスタン | 3892万人 |
15 | アラブ首長国連邦 | 989万人 |
16 | モンテネグロ | 62万人 |
17 | インドネシア | 2億7352万人 |
18 | ナイジェリア | 2億613万人 |
19 | アルメニア共和国 | 296万人 |
20 | モンゴル | 327万人 |
ここ数年、バングラディッシュやパキスタン、インドは、大気汚染が深刻な国として常に上位にランクインしています。
特に、インドは「世界で最も汚染されている都市」でも、上位20位中14都市が占めています。
よく大気汚染の話題にあがる中国は22位、日本は92位という結果になっています。
大気汚染が深刻になる原因
大気汚染の原因は、自然災害などが原因の場合と人間の活動が原因になっている場合の2つに分類されます。
特に懸念されているのが人間の活動によって増加する大気汚染物質です。
今回は、大気汚染が深刻であるバングラディッシュ、パキスタン、インドの3ヵ国の大気汚染の原因についてお話していきます。
バングラディッシュ 大気汚染の原因
バングラディッシュは、世界の中でも人口密度が高い国です。
そのため、ゴミや生活排水、自動車による大気汚染物質の排出量が多くなります。
また、バングラディッシュはほとんどの建物がレンガでできているほど、レンガ製造が盛んな国です。
そして、このレンガ製造がバングラディッシュの大気汚染を深刻化させている原因でもあります。
レンガを作るには、主に石炭を原料とした大量のエネルギーが必要で、焼く際にはガスや粉じん、有害物質などの大気汚染物質も発生します。
レンガ工場では常に黒い煙が立ち上っており、WHOの報告によると、バングラディッシュでは大気汚染が原因で毎年3万7,000人が死亡しているようです。
近年では、大気汚染対策のためにクリーンなレンガ製造を目指し、法律の改正や技術の導入が進められています。(※2)
パキスタン 大気汚染の原因
パキスタンでは、高濃度のスモッグが空を覆い、健康被害への危険性が高くなると注意喚起がされているほど、大気汚染が深刻な状態です。
大気汚染の原因は、工場からでる煙や車の排気ガス、農民が燃やす稲穂などがあげられますが、中でもパキスタンは火力発電に依存していることが大気汚染を深刻化させている原因の一つにあげられます。(※3)
2019年時点で、パキスタンの電力は65%が火力発電で生産されています。
天然ガスや石油、石炭などの化石燃料を使用する火力発電はCO₂排出量が多いことが問題視されています。
2018年には、パキスタン政府が大気汚染に関する勧告を出し、大気汚染対策に取り組んでいるそうです。
インド 大気汚染の原因
インドの大気汚染レベルは世界最悪と言われているほど、街中がスモッグに覆われ、数メートル先でさえも霞んでいる状態になっています。
インドがここまで大気汚染が深刻化したのには、ディワリでの花火や爆竹、野焼き、交通量の多さに原因があります。
ヒンドゥー教の新年のお祭り「ディワリ」の時期には、毎年大量の爆竹や花火が使われており、それらが大気汚染の原因の一つになっていると言われています。
また、伝統である「野焼き(農地を焼く)」も大気汚染の原因の一つです。
中でも、インド主要都市の大気汚染の原因の約4割が自動車の排気ガスで、交通量の多さは大気汚染を深刻化させています。(※4)
対策として、ディワリの爆竹の制限、野焼きの禁止、車両規制の実施などが行われています。
※大気汚染に関しては以下の記事でも書いているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
大気汚染が深刻な国とその原因についてお話しました。
大気汚染の主な原因は、自動車の排気ガスや工場からの煙ですが、国によって様々な理由があります。
日本は大気汚染が深刻な国ではありませんが、二酸化炭素の排出量が世界で5番目に多い国でもあり、再生可能エネルギーの活用や電気自動車の増加などといった大気汚染対策が行われています。
私たちもできることから行っていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参照
※1 IQ Air「世界で最も汚染された国と地域(過去のデータ2018-2021)」(https://www.iqair.com/jp/world-most-polluted-countries)
※2 JICA「バングラデシュ国無焼成固化技術を使ったレンガ事業準備調査(BOPビジネス連携促進)報告書」(https://www.jica.go.jp/bangladesh/bangland/pdf/knowledge17.pdf)
※3 日本原子力産業協会「パキスタンの原子力」(https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2021/08/pakistan.pdf)
※4 Ministry Of Earth Sciences(https://www.moes.gov.in/)