サンゴ礁が死滅すると海はどうなる?サンゴの役割と人間への影響とは
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、サンゴ礁の役割と人間との関わりについてお話していきます。
1997~1998年に起こったエルニーニョ現象(海面水温が高くなる現象)により、サンゴが大量に白化したことが確認されています。
以降、サンゴは年々減少していき、現在では絶滅危惧種に指定されるほどです。
この記事は、
- サンゴがなくなると何が問題なの?
- サンゴの役割って?
- 渡地達の生活にどう影響してくるの?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
サンゴ礁とは?
そもそもサンゴ礁とは、「造礁サンゴ」という種類のサンゴが集まってできた地形の一つです。
造礁サンゴは石灰質の骨格を持ち、成長とともに大きくなり、長い年月をかけてサンゴ礁といわれる地形をつくります。
また、体内に褐虫藻(植物性プランクトンの一種で光合成をする)を住まわせており、造礁サンゴは褐虫藻の光合成によって多くのエネルギーを得ています。
サンゴとの違い
サンゴは、見た目からして植物のように思えますが、実は「動物」でイソギンチャクやクラゲの仲間です。
サンゴとサンゴ礁の違いは、サンゴは動物一匹を指し、サンゴ礁はサンゴが積み重なってできる地形を指していることです。
サンゴは「動物」でありながら、「植物」のように光合成もでき、石灰質で「鉱物」のような性質も持っていている生き物です。
サンゴ礁が減少する原因
現在、 世界海洋生物種アセスメントによると「世界の造礁サンゴの約3分の1が絶滅の危機に瀕している」ことが報告されています。
サンゴが減少する理由として、地球温暖化による海面水温の上昇やオニヒトデによる食害、赤土、台風など様々な原因があげられます。
その中でも特に問題視されているのは、海面水温の上昇による「サンゴの白化現象」です。
白化現象とは、サンゴが体内に住まわしている褐虫藻がでていき、サンゴの白い骨格が透けて見える現象です。
褐虫藻がサンゴからでていってしまうと、サンゴは光合成ができなくなり、エネルギー受け取ることができずに死滅してしまいます。
この白化現象は、海面水温の上昇や紫外線の強弱、低塩分などの強いストレスが原因で引き起こされます。
サンゴの役割
サンゴは「海の熱帯林」や「海のオアシス」と呼ばれるほど、多くの生物が住みかにしています。
海の生物の約4分の1~3分の1がサンゴに住んでいると言われており、サンゴの周りには生物多様性が溢れています。
産卵や稚魚が育つ場としてサンゴが利用されていたり、サンゴから出る養分をエサにしている魚もいたりと、サンゴは海の生き物の住みかやエサになっています。
また、サンゴは「植物」のような働きをすることから、水中の二酸化炭素を吸い酸素を生み出す役割も担っています。
サンゴの二酸化炭素吸収率は、1㎡あたり4.3kg/年と言われており、陸上の植物よりも多くの二酸化炭素を吸収しています。
他にも、海を浄化する働きや防波堤としての役割など、海中だけではなく地球にとっても大きな役割を果たしています。
私たち人間の生活にどう影響してくるのか
サンゴが減少していくと、私たちの暮らしにどう影響してくるのか。
以下の4つについてお話していきます。
- 地球温暖化が進む
- 自然の防波堤がなくなり津波被害が増える
- 魚が減少していく
- 観光地が減る
1.地球温暖化が進む
サンゴは陸上の植物よりも多くの二酸化炭素を吸収してくれています。
なので、サンゴ礁が減少すると吸収できる二酸化炭素の量も減り、地球温暖化が加速していくことが考えられます。
地球温暖化が加速すると海面水温が上昇し、「サンゴの白化現象」つまり、サンゴ礁がさらに減る現象が起こります。
そして、地球の温度が上がることでサンゴ礁が減り、サンゴ礁が減ったことでさらに地球の温度が上がるという悪循環に陥ります。
地球温暖化を抑えるためにも、サンゴ礁の存在は必要不可欠なのです。
※地球温暖化については以下の記事で書いているので、ぜひ参考にしてください。
2.自然の防波堤がなくなり津波被害が増える
サンゴは光合成をするために、光の届きやすい海面に向かって成長していきます。
そして形成されたサンゴ礁は、サンゴ礁の外側の波を遮断し、内側に穏やかな海域を作り出しています。
また、オーストラリアでは大きく発達したサンゴ礁(バリアリーフ)が海から陸を守るように、大波を抑える「自然の防波堤」の役割をしています。
実際に、2004年12月26日に起こったスマトラ島沖地震の影響で、インド洋に面した国で大津波が発生した際にサンゴ礁が防波堤になって人的被害が少なかった地域があることが報告されています。
UNEP(国連環境計画)が調査したところ、スリランカとモルディブのサンゴ礁が残っている地区では被害が少なかったことが明らかになりました。
この結果から、サンゴ礁がなくなると津波や台風が起こった際の被害が大きくなることが考えられ、サンゴ礁は私たちの暮らしを守ってくれる役割もあります。
3.魚が減少していく
サンゴ礁の周りには、海の生物の約4分の1~3分の1である93,000種以上の動植物が生息していると言われています。
そして、サンゴ礁には魚の住みかや産卵場所、稚魚が育つ場、エサ場などの役割があります。
サンゴ礁がなくなると、魚は住みかをなくし、産卵場所も失います。
そのまま安全な産卵場所を見つけることができなければ、その種も減少していき、その種を捕食していた生物の数もだんだんと減っていくことになります。
サンゴ礁が減ることで魚も減り、そしてその魚を食べている私たちも食べられる魚が限られていきます。
※生物多様性については以下の記事に書いているので、ぜひ参考にしてください。
4.観光地が減る
サンゴ礁がある海は、サンゴが海を浄化し綺麗に保ってくれているので、美しく海が多く観光地としてにぎわいます。
シュノーケリングやダイビングスポットとして多くの人が訪れ、海の美しさと豊かな生態系があるサンゴ礁は観光地としても大きな役割を果たしています。
日本では、サンゴ礁が見られる沖縄周辺の地域がリゾート地として人気があります。
実際に新型コロナウイルスが流行する前、2019年度の沖縄県の県内総生産(GDP)を占める観光消費額の割合は20.9%と、日本で一番、観光業が盛んな県です。
サンゴ礁が観光地の目玉となり、その地域の収入をまかなっているとすると、サンゴ礁の減少は収入面にも大きなダメージを与えることになります。
まとめ
サンゴ礁についてお話しました。いかがだったでしょうか?
サンゴ礁が私たちに与えくれる恩恵は計り知れません。
サンゴ礁の減少は私たちの暮らしと密接につながっており、私たちはサンゴ礁を守らなければなりません。
できることから少しずつ、行動していきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!