SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」169のターゲットをわかりやすく
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
SDGsには17の目標と169のターゲットが制定されています。
各目標の中に、10個程度のターゲットが存在します。
その中でも今回は、SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」の169のターゲットについてお話していきます!
この記事は、
- 169のターゲットとは?
- SDGsについてもっと詳しく知りたい
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
SDGsとは
SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
持続可能な開発とは、国際連合広報局によると「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義されています。
また、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すため、世界全体の経済・社会・環境の三側面における課題を総合的に解決すべき国際目標として掲げられています。
そしてSDGsは、17の目標と169のターゲットから構成されており「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
そのためには、発展途上国だけでなく先進国も積極的に取り組まなければなりません。
まとめると、SDGsは「地球環境が破壊されていく中で、子どもや孫世代にいい地球環境を残せるように世界全体で目標を定め、共に力を合わせて達成していこう」ということです。
ざっくりまとめてしまいましたが、なんとなくそんな感じのことなんだなと理解していただけたら十分です!
※SDGsについては以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
目標10「人や国の不平等をなくそう」
SDGsの17の目標の10つ目「人や国の不平等をなくそう」です。
「人や国の不平等をなくそう」では、「国内および国家間の不平等を是正すること」を目標としています。
所得格差や経済格差、男女格差、人種差別などあらゆる格差や差別をなくすことを目標としています。
日本国内でも、差別や格差が気になることがあるかと思います。
あらゆる差別や格差は、日本のみならず世界中に存在し、それは国家間でも起こりえます。
「地球上に誰一人取り残さない」ためには、差別や格差をなくし協力していく必要があります。
※「人や国の不平等をなくそう」については以下の記事で書いているので、ぜひ参考にしてください!
「人や国の不平等をなくそう」のターゲット
「人や国の不平等をなくそう」は、「10.1~10.7」と「10.a~10.c」の計10個のターゲットから構成されています。
ターゲットとは、目標をより細かく具体的に表したものです。
以下が「人や国の不平等をなくそう」のターゲット一覧です。
10.1 | 2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。 |
---|---|
10.2 | 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。 |
10.3 | 差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。 |
10.4 | 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。 |
10.5 | 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。 |
10.6 | 地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。 |
10.7 | 計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。 |
10.a | 世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。 |
10.b | 各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接投資を含む資金の流入を促進する。 |
10.c | 2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する。 |
「人や国の不平等をなくそう」のターゲットは大きく5つに分けられます。
- 低所得層の所得成長率を上げる
- 差別や格差をなくす
- 不平等な規制を撤廃し、平等なあらゆる政策を取り入れる
- 開発途上国の発言力の強化と、支援を促進する
- 移民や移住の政策を促進する
一つずつお話していきます。
1.低所得層の所得成長率を上げる(ターゲット10.1)
ターゲット10.1には、所得の低い40%の人の経済成長率をあげることが書かれています。
現在、世界人口の約過半数の40億人が低所得層にあたると言われています。
オックスファム(Oxfam)の2019年レポートによると、「富豪たった26人の資産合計と、世界人口の約半数である38億人の資産合計は等しい」と報告されており、所得格差は縮まることなく広がり続けています。
そのため、低所得層の所得を上げていくことで所得格差を、縮めることが目的です。
2.差別や格差をなくす(ターゲット10.2)
ターゲット10.2には、あらゆる差別や格差をなくし、すべての人が社会的、経済的、政治的に取り残されないようにすることが書かれています。
年齢や性別、障がいの有無、人種、民族、宗教、経済状態などあらゆる差別や格差をなくすことが目標です。
例えば、都市部と農村部では極度に貧しい人の割合に違いがあります。
都市部で5.3%であるのに対し、農村部で17.2%と、3倍以上の差があります。
こういった差別や格差をなくし、誰もが平等に機会を与えられるようにすることが目的です。
3.不平等な規制を撤廃し、平等なあらゆる政策を取り入れる(ターゲット10.3~10.5)
ターゲット10.3~10.5には、差別的な法律、政策をなくし、適切な法律や政策、行動をすすめることが書かれています。
イスラム教のシャリア法やヒンドゥー教、ダウリー制度は、女性が男性よりも身分が低いとされていて、男女格差を認めている法律や制度です。
シャリア法の「女性の権利を制限したり、女性を従属的な立場に置く法律」や、ダウリー制度の「女性が結婚する際に多額のお金を持参させ、女性にお金による付加価値をつけないと結婚ができない」などの制度が代表的です。
このような差別を容認する内容の法律や制度を撤廃することが目的です。
また、財政や賃金、社会保障などに関する政策をとることや、世界の金融市場と金融機関に対するルールが守られているか監視するシステムをつくり格差を減らすことも目標となっています。
4.開発途上国の発言力の強化と、支援を促進する(ターゲット10.6,10.a,10.b)
ターゲット10.6,10.a,10.bには、世界経済や金融制度について決める際の開発途上国の発言力を強化し、国際的に支援していくことが書かれています。
世界全体のことを決める際に、先進国だけで行うのではなく開発途上国の発言力も強化し、だれもが納得することのできる制度をつくることが目標です。
また、開発途上国の貿易や資金面での支援を行い、国家間の差を埋めていくことも目標に掲げられています。
5.移民や移住の政策を促進する(ターゲット10.7,10.c)
ターゲット10.7,10.cには、計画にもとづいた移住や人びとの移動を進めるとともに、移住労働者の金銭的負担を軽減することが書かれています。
移住者に対して人種差別・人権差別をすることなく、誰でも安心して手続きができるように移住に関する政策を実施することが目標です。
また、移住労働者(出稼ぎ労働者)が、自国にお金を送る時にかかる費用が「送る金額の3%」より低くなるようにし、「送る金額の5%」を超えるような費用がかかる送金方法をなくすことも目標に掲げられています。
つまり、10万円を送りたい場合に「10万円の3%未満の手数料」=「3000円未満の手数料」で送金できるようにすることが目標です。
まとめ
SDGs「人や国の不平等をなくそう」のターゲットについてお話しました!
169のターゲットと聞くと「多い」と感じてしまいがちですが、1つの目標ごとに見ていくと実際そんなに多くも難しくもありません。
また、ターゲットを知っておくことで、SDGsの目標への理解や課題もより鮮明になります。
理解を深め、よりよい社会を一緒に作っていきましょう!
最後まで読んでだたきありがとうございました!
※「住み続けられるまちづくりを」については以下の記事に書いているので、ぜひ興味のある方はご覧ください!