オーストラリア森林火災から約2年~火災の原因と現在の状況について~
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、2019年9月~2020年2月まで続いたオーストラリア森林火災についてお話していきます。
日本でもニュースに取り上げられたほどの大規模森林火災。
現地の方が、コアラを救出したり水をあげたりしていた様子が印象に残っているかと思います。
この記事は、
- オーストラリア森林火災の原因って?
- 2022年現在はどうなっているの?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
オーストラリア森林火災の原因は空気の乾燥?
オーストラリア森林火災は、2019年9月頃に南東部ニューサウスウェールズ州から広がりました。
ほぼ毎年オーストラリアでは森林火災が起こっていますが、2019年は降水量が少なく空気が乾燥していたことに加え、過去最高気温を記録するなど、火災が発生・拡大しやすい条件が整っていました。
その結果、全国的に広がり約1千万ヘクタールの土地が焼失、オーストラリアの固有種も焼失や生息地を失うなどの被害が出ることとなりました。(参照※1)
森林火災の原因
元々、森林火災が起こる原因として2つの原因が考えられています。
1つ目は落雷や乾燥などによる自然発火が原因の森林火災、2つ目はたき火や放火、タバコの火などの人為的な原因による森林火災です。
2019年~2020年に起こったオーストラリア森林火災では、自然発火が原因として考えられています。
なぜ自然発火でここまで大きな被害がでてしまったのか。
その原因は、
- 降水量の減少と乾燥
- 気温の上昇
- オーストラリアの固有種
以上のことが合わさり、大規模森林火災になったと考えられます。
オーストラリア森林火災の3つの原因
原因1.降水量の減少と乾燥
オーストラリアはもともと降水量が少なく、世界6大陸の中でも最も乾燥している大陸と言われています。
特に、2019年の降水量は少なく例年の半分ほどしか雨が降りませんでした。
オーストラリア気象局によると、オーストラリアの2019年の降水量はわずか277ミリで、1900年の記録開始以来の最低水準であったことが発表されています。(※2)
また、降水量が減少したことで空気が乾燥し、森林火災に繋がったのではないかと考えられています。
乾燥すると落ち葉や枯れ葉などの水分が抜けて燃えやすくなります。
そして、乾燥した枯れ葉同士がこすれると火種が生まれて、その火種が周りの木々に燃え移ることで森林火災が発生します。
2019年のオーストラリアの降水量が極端に少なかったことから、乾燥によるが自然発火が原因であると考えられています。
原因2.気温の上昇
2019年のオーストラリアは、雨が少なく乾燥していただけではありません。
それに加えて、平均気温が過去平均より1.52度高く、観測史上最高を記録しました。
その原因として、インド洋で「ダイポールモード現象」が発生し、インド洋西部の海水温が高い状態が続き季節風の時期が遅れたため、オーストラリアの気温が上昇し降水量が減少したからだと言われています。
気温の上昇で自然発火が起こりやすくなり、森林火災も長期化する傾向にあるため、気温の上昇が火災の原因の一つと考えられています。
原因3.オーストラリアの固有種
オーストラリアには、ユーカリやティーツリーといった油分を多く含む樹木がたくさん生えています。
ユーカリやティーツリーは油分を多く含むだけでなく、燃えやすい表皮に覆われているので、一度火がつくと瞬く間に燃え広がります。
オーストラリア特有の樹木も、森林火災を広げてしまう原因になっています。
森林火災から約2年たったオーストラリアの現状
数ヵ月にも及んだ森林火災ですが、2020年に大雨が降ったことにより火災が鎮火しました。
しかし、その被害は大きく、約30億匹の動物が死亡したり住みかを失いました。(※3)
その内訳は、
- 爬虫類 24億6000万匹
- 哺乳類 1億4300万匹
- 鳥類 1億8000万匹
- カエル 5100万匹
となっています。
そして、2020年3月末から火災から救い出したコアラを森へ帰す活動が始まっています。
オーストラリアで3番目に大きい島「カンガルー島」では、保護したコアラの4割程度にあたる約250頭を森に帰すことができているそうです。
また、火災が起こった土地に生えていた木々が徐々に再生・回復していると報告されています。
黒焦げになった木から新しく芽がではじめ、森に緑が戻りつつあり、野生動物たちも戻ってきているそう。
失ったものは大きいですが、少しずつ自然も動物も回復しているようです。
まとめ
オーストラリアの森林火災についてお話しました。
森林火災自体は世界中色々な国で起こっているため、他人事とは思えない出来事です。
この火災の原因はまだはっきりとしておらず、自然発火ではなく人為的な行動が原因だったのではないかとも言われています。
どちらが原因にせよ、気候変動による乾燥と気温の上昇が森林火災を長引かせたことは研究で明らかになっているため、より一層気候変動に対しての対策を強化する国が増えていくと考えられます。
私たちもできることを行っていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参照
※1 Nature Ecology and Evolution(https://www.nature.com/natecolevol/)
※2 オーストラリア気象局(http://www.bom.gov.au/)
※3 世界自然保護基金「New WWF report: 3 billion animals impacted by Australia’s bushfire crisis」