コロナ禍で露呈した日本の食料自給率の低さ~輸入頼りが及ぼす食料危機~
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、コロナ禍で見えた日本の食料自給率の低さについてお話していきます。
2020年度の日本の食料自給率は過去最低の37%と報告されています。
食料自給率が低いと何が危険なのか、今後どうなっていくのか。
この記事では、
- 食料自給率って何?
- 食料自給率が低いと何が起こるの?
- 輸入頼りの日本は今後どうなっていくの?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
食料自給率とは?
食料自給率とは、農林水産省によると「我が国の食料供給に対する国内生産の割合を示す指標」と記されています。
つまり、日本で食べられているものが日本で作られている割合のことを食料自給率と言います。
また食料自給率は、熱量で換算する「供給熱量(カロリー)ベース」と金額で換算する「生産額ベース」の2種類から総合食料自給率を算出しています。
令和2年度の値を参考に計算してみると、
【供給熱量(カロリー)ベース総合食料自給率】
=1人1日当たり国産供給熱量(843kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,269kcal)×100%
=37%
【生産額ベース総合食料自給率】
=食料の国内生産額(10.4兆円)/食料の国内消費仕向額(15.4兆円)×100%
=67%
という結果になります。
日本の食料自給率は、先進国の中でもかなり低いのが現状です。
食料自給率の現状
令和2年度の日本の食料自給率は、先ほど計算した通り供給熱量ベースで37%、生産額ベースで67%であることが農林水産省によって発表されています。
特に、供給熱量ベースの37%という値は1965年以降、過去最低の数字です。
生産額ベースも1965年には86%あった値が、2020年には67%にまで減少しています。
日本は未だ6割以上を輸入に頼っているのが現状です。
食料自給率が低いと起こる問題とは
ここまで、食料自給率とは?日本の食料自給率についてお話しました。
では続いて、食料自給率が低いことの何が問題なのかについてお話していきます。
- 今後も安定して輸入できるとは限らない
- 世界人口増加による食料需要
- 異常気象や天候不順での不作
一つずつ詳しくお話していきます。
1.今後も安定して輸入できるとは限らない
現在は安定して輸入できているものでも、今後も輸入できるとは限りません。
実際に新型コロナウイルスの影響で輸入が滞り、輸入品が減少、高騰しています。
また、国内への供給を優先し輸出を禁じる措置を実施した国もあります。
輸入品に頼りすぎていると、何らかの理由で輸入ができなくなった時に一番困るのは、食料自給率の低い国です。
2.世界人口増加による食料需要
2050年には世界人口が100億人近くなることが予想されています。
特に、インドやナイジェリア、パキスタンなどのアジアやアフリカの地域で急激な人口増加が起こることが予想されています。
この人口増加に伴い、世界では食料不足が危惧されています。
人口が増加する地域はより多くの食料を確保しようと動き出し、自国からの食料輸出をやめる場合や、あるいは輸入を増加する場合があります。
人口爆発により安定的な輸入ができなくなると、食料自給率の低い国では自国の人口をまかなえるだけの食料を用意ができない可能性があります。
3.異常気象や天候不順での不作
地球温暖化による異常気象や天候不順で不作になった場合、輸出量の減少が考えられます。
特に近年では、猛暑日や豪雨、干ばつなどが多くなり日本国内でも作物に影響を与えています。
この異常気象や天候不順は日本だけでなく、世界全体で起こっている問題です。
また、新型コロナウイルスなどの感染症、輸出国の情勢不安なども輸出入に大きな影響を与えます。
もし今後、食料不足が起こったらどうなる?
約6割を輸入に頼っている状態で、食料不足が起こったらどうなるのかについてお話していきます。
現状で輸入がストップし日本で食料不足が起こると、農林水産省はカロリーの高い「イモ類」を主食にして、ほぼ毎食イモを食べる「イモ類中心」の食生活を提案しています。
【イモ類中心の食生活 例】 (参照:農林水産省「食料自給率及び食料自給力の検証、2019年11月」)
- 小麦や米は1日1杯
- イモが主食
- 牛乳は5日に1杯
- 焼肉は19日に1皿
- 卵は3ヵ月に1個
このような食生活になるとシュミレーションしています。
もし、このような状況になると日本の農地もほとんどがイモやカロリーの高い食材を栽培しなければいけなくなります。
まとめ
食料自給率についてお話しました。いかがだったでしょうか。
「輸入品が滞っている。輸入品の高騰が続いている」というニュースを見て、日本の食料自給率の低さについての記事を書きました。
日本が現在、100%自給できている食材は米のみです。その他の野菜や穀物、畜産物などの多くは輸入している状態です。
しかし、食料自給率をあげるには農家の人口不足や農地の確保などといった問題を解決しなければなりません。
一筋縄ではいかない問題ではありますが、私たちが今日からできる取り組みとしては、できるだけ国産のものを選んだり、地産地消に取り組んでいるお店を利用することです。
できることから少しずつ行動していけたらいいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。