あと20年で埋立地が限界に?埋立地問題についてゴミ処理の歴史からわかりやすく
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、日本のゴミ処理問題についてお話していきます。
私たちが普段何気なく出しているゴミ。
このままだと、日本の埋立地がいっぱいになりゴミが受け入れられなくなる可能性があります。
この記事は、
- 日本のゴミ処理について知りたい
- 埋立地に限界が来るってどういうこと?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
日本のゴミ処理のしくみ
日本のゴミ処理方法
日本では、捨てられたゴミは大きく3つの方法で処理されています。
- 一度燃やして、ゴミを小さくしてから埋める
- そのまま埋める
- リサイクル資源になる
これらのうち、一度燃やしてから埋める・そのまま埋めるがゴミ処理の80%を占めており、リサイクルに回されているのは20%ほどです。(参照※1)
日本のゴミ分別方法
また、処理の方法に従って、ゴミの分別は大きく4つに分けられています。
- 燃えるゴミ(生ごみ、紙ゴミ、食用油など)
- 燃えないゴミ(小型の金属類、ライター、ガラス、LED電球など)
- 資源ゴミ(新聞、雑誌、段ボール、ペットボトルなど)
- 粗大ゴミ(家具、家電など)
分別されたのち、燃えるゴミや資源ゴミ、粗大ごみの一部は一度燃やしてから埋められ、燃えないゴミはそのまま埋立地に埋められます。
日本でリサイクル資源として再利用されているのは、資源ゴミと粗大ゴミの一部です。
日本のゴミ処理の歴史
日本では、約80%のゴミが埋立地に埋められ処分されています。
日本のゴミ処理方法について、昔にさかのぼってお話していきます。(参照※2)
1800年代後半~1900年代前半
当時のゴミの処分方法は、自己処理をするか、民間のゴミ処理業者が処分をするかの2つの方法で行われていました。
しかし、ゴミ処理業者が空き地や路地にゴミを捨てることが増え、そのゴミがネズミやハエのたまり場となり、街が不衛生な状態で様々な伝染病が広まるようになりました。
そこで、1900年に「汚物掃除法」が制定され、ゴミは「なるべく焼却すべし」とゴミをまとめて燃やす「野焼き」が行われるようになりました。
1945年~1950年代(戦後)
戦後の日本では、経済発展や人口増加により、特に都市部ででるゴミの量が多く、それらのゴミは河川や海洋、空き地に捨てるなどといった処理方法がとられていました。
さらに、収集されたゴミを処分場にもっていくには自動車や船舶への積み替え作業が必要で、積み替える際にゴミが飛び散るなどといった問題も発生しました。
1900年代前半から行われていた「野焼き」は煙や粉じんへの苦情が相次いだため、ゴミをそのまま埋める「埋立地」の開発が始まりました。
1960年代~1970年代(高度経済成長期)
高度経済成長期には、大量生産・大量消費の経済構造になり、家庭ゴミ以外に産業から排出されるゴミの量が急増しました。
また、プラスチック製品が出回るようになったのもこの頃で、埋めても腐敗しないプラスチックは高温で溶かし処分されていましたが、ばいじん、酸性ガスなどを排出し公害の原因の一つになりました。
産業排水や汚染物質が適切に処理されないことから水俣病やイタイイタイ病が流行ったのもこの時代です。
そこで、産業廃棄物と家庭から出るゴミの処理の方法を分けたり、人体に害のある物質を規制する法律などが制定されました。
また、プラスチックの普及により、ゴミの分別が行われるようになりました。
1980年代~1990年代前半(バブル期)
バブル期では、大型の家電や容器包装の使用が拡大するなど、ゴミの種類がより一層増えるようになりました。
ペットボトルが使われるようにもなり、プラスチック製品もたくさん使用されるようになりました。
この頃には、ゴミが急増したことにより埋立地にそのまま運ばれるゴミが増え、埋立地の容量が減少していき、使用できる年数がどんどん短くなっていきました。
1990年代~2000年代
これまではゴミの適切な処理方法だけに着目して、法律や規制が行われていました。
しかし、1990年からはゴミの量を減らす、資源を再利用する取り組みが進められています。
特に、2000年代からは循環型社会を目指し、各自治体も協力しゴミの収集やリサイクル事業に取り組んでいます。
なぜゴミは埋めて処分されるようになったのか
日本のゴミ処理は、野焼きからはじまり、やがて埋立地に埋めることが主流となりました。
そもそも埋立地とは、土砂や廃棄物を入れるために海や湖に人工的に作り出された土地です。
野焼きでの環境被害が大きくなったことと、産業廃棄物の増加によりゴミを燃やすだけでは処分しきれなくなったことから埋立地が作られるようになりました。
埋立地の現状
日本の埋立地は、あと20年で限界を迎えることが環境省により報告されています。
今まではゴミを海外に輸出することで日本国内の処分場を維持していましたが、2018年に中国がゴミの輸入を禁止し、その他各国でもゴミの輸入禁止が進むことにより、ゴミの捨て場が失われつつあります。
また、日本は国土が小さく埋める土地が限られているので、新たに埋立地を建設する場所を確保することも難しく、このままでは2040年には埋立地が満杯になります。
そして、埋め立てられたゴミが最終的にどうなるのか、土の中で分解されるのか、分解されるにはどれほどの時間とお金がかかるのか、など埋められた後の研究は現在でも行われており、未だにはっきりした答えはでていません。(参照※3)
私たちもゴミを減らすことで埋立地問題に貢献していかなければなりません。
まとめ
ゴミの埋立地問題についてお話しました。
毎日、当たり前のように出しているゴミが捨てられなくなる未来がくるのでしょうか。
必要以上にゴミを出さなくてすむように、エコラップやマイボトルなど使い回せるものを使っていきたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参照
※1 環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度)について」 (https://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/h28/data/env_press.pdf)
※2 環境省「日本の廃棄物処理の歴史と現状」 (https://www.env.go.jp/recycle/circul/venous_industry/ja/history.pdf)
※3 国立環境研究所「処分後に土に還るのか?」 ホームページ(https://www.nies.go.jp/index.html)