動物園のSDGsの取り組みや役割とは?2つの動物園の取り組み事例を紹介!
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、日本の動物園の役割やSDGsの取り組みについてお話していきます。
1882年に日本で最初の動物園(上野動物園)ができて以降、日本各地に動物園が作られるようになりました。
現在では、全国に115の動物園が設置されています。(※1)
この記事は、
- 日本の動物園が取り組むSDGsが知りたい
- 動物園の役割って何?
- 解決するべきSDGsの課題とは?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
動物園の歴史
1882年(明治15年)に、日本で最初の動物園「東京都恩賜上野動物園(現在の上野動物園)」が開園しました。(※2)
開園のきっかけとなったのは、1873年(明治6年)に開催されたウィーン万博博覧会です。
ウィーン万博博覧会で、日本は浮世絵や工芸品の他に生きた動物を出品し、出品した後は動物を国内に持ち帰り、一般公開を始めたのが動物園ができるきっかけとなりました。
開園当初は、トキやニホンザルといった日本国内の動物が中心に展示されていましたが、その後すぐにゾウやキリン、ライオンといった外国産の動物が展示され、現在の様々な動物が展示されている動物園の形となりました。
動物園の役割とは
動物園には、以下の4つの役割があるとされています。(※3)
- 種の保存(絶滅の危機にある野生生物を保全するための拠点としての役割を担うこと)
- 教育・環境教育(生き物の鳴き声やにおいを体験できる、野生生物について考えるきっかけになること)
- 調査・研究(生き物の生態系や暮らしを知る、理解すること)
- レクリエーション(楽しく過ごしながら、命の大切さなどを感じ取ってもらえること)
特に、この中でも「種の保存」は、動物園では独自の努力が続けられています。
自然界で減少したり絶滅した野生動物を、動物園が保護し、飼育下で繁殖させてから野生に戻すという試みです。
野生化で危機的な状況にあった「トキ」や「コウノトリ」が、動物園での繁殖に成功し、現在では「トキ=推定484羽」、「コウノトリ=推定309羽」が野生化にいるほど、繁殖に成功しています。(※4.5)
動物園のSDGsの取り組み事例
2つの動物園の取り組みについてお話していきます。
- 天王寺動物園
- 東山動物園
の順にお話していきます。
天王寺動物園
天王寺動物園では、SDGs17の目標のうち、12(目標3~6.9.10.12~17)の目標達成に貢献しています。(※6)
- 学ぶ機会の提供(目標4.13~16)
- 園内環境の整備(目標3.5.6.10)
- 調査・研究(目標9.17)
- エコの取り組み(目標12.14.15)
- パートナーシップ(目標4.17)
天王寺動物園では、種の保存や環境保全はもちろん、企業やNPO団体とイベントを開催し学びの場の提供を行っています。
また、天王寺動物園は生息域外保全(絶滅が危惧される動物を生息地から取り出して守ること)に力を入れており、コウノトリやホッキョクグマなどといった絶滅危惧種の繁殖に成功しています。
東山動物園
東山動物園では、SDGs17の目標のうち、10(目標4.6.7.10~15.17)の目標達成に貢献しています。(※7)
- 絶滅危惧種の飼育・栽培・展示(目標13~15.17)
- 動植物の生息域外保全(目標15.17)
- イタセンパラ、ツシマヤマネコの保護増殖事業(目標15.17)
- なごや東山の森づくり(目標15.17)
- 東山動植物園環境教育プログラムの実施(目標4.12~15.17)
- 動物園・植物園ガイドボランティアの活動(目標4.14.15.17)
- 環境、バリアフリー、ユニバーサルデザインに配慮した獣舎、園路、トイレ等の再生整備事業(目標6.10~12)
- 動植物に関する講演会、展示会、イベントの実施(目標4.13~15)
- 市民、企業等の皆様との連携(目標17)
- 再生可能エネルギー100%電力の導入(目標7)
東山動植物園では、動植物100種以上の絶滅危惧種を展示、飼育しています。
また、園内で飼育している絶滅危惧種や希少動物の繁殖保存をはじめ、生息域内保全(動物の本来の生息地の保全)も行っています。
東山の森や日本産動物の生息地の保全活動、アジアやアフリカといった外国産動物の生息地の保全活動も行ってます。
まとめ
日本の動物園のSDGsの取り組みについてお話しました。
動物園は、動物をみて楽しむだけでなく、種の保存や教育、研究の役割も担っています。
特に、絶滅危惧種や希少種を保存する役割のある「種の保存」は、どの動物園も努力している取り組みです。
動物園に行く際には、SDGsの取り組みも目を向けてみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
※水族館の取り組みについては以下の記事で書いているので、ぜひ参考にしてください。
参照
※1 都道府県別統計とランキングで見る県民性「都道府県別動物園数」(https://todo-ran.com/t/kiji/23830)
※2 「種の保存における動物園の役割」(https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2016pdf/20161101029.pdf)
※3 日本動物園水族館協会「JAZAについて」(https://www.jaza.jp/about-jaza)
※4 環境省「野生化のトキの2021年の最終的な繁殖結果について(推定値)」(https://kanto.env.go.jp/press.html)
※5 IPPM-OWS「生息域外(飼育)のコウノトリの個体数」(https://ippm-ows.jp/counttable.html)
※6 天王寺動物園 HP(https://www.tennojizoo.jp/)
※7 東山動物園 HP(https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/)