SDGs目標8「働きがいも経済成長も」169のターゲットをわかりやすく
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
SDGsには17の目標と169のターゲットが制定されています。
各目標の中に、10個程度のターゲットが存在します。
その中でも今回は、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」の169のターゲットについてお話していきます!
この記事は、
- 169のターゲットとは?
- SDGsについてもっと詳しく知りたい
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
SDGsとは
SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
持続可能な開発とは、国際連合広報局によると「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義されています。
また、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すため、世界全体の経済・社会・環境の三側面における課題を総合的に解決すべき国際目標として掲げられています。
そしてSDGsは、17の目標と169のターゲットから構成されており「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
そのためには、発展途上国だけでなく先進国も積極的に取り組まなければなりません。
まとめると、SDGsは「地球環境が破壊されていく中で、子どもや孫世代にいい地球環境を残せるように世界全体で目標を定め、共に力を合わせて達成していこう」ということです。
ざっくりまとめてしまいましたが、なんとなくそんな感じのことなんだなと理解していただけたら十分です!
※SDGsについては以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
目標8「働きがいも経済成長も」
SDGsの17の目標の8つ目「働きがいも経済成長も」です。
「働きがいも経済成長も」では、「すべての人にとっての包摂的で持続可能な経済成長と雇用、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進すること」を目標としています。
包摂的とは「一定の範囲内に包み込むこと」で、社会の一員として誰一人取り残さず、支えあうという意味で使われます。
2019年に発表されたILOの年次刊行物によると、2018年の世界の失業者数は1億7200万人と報告されています。
また他にも、貧困の地域では児童労働が当たり前になっていたり、日本では過労死「karoshi」が国際語になるほどの労働条件で働いていたりと労働に関する問題は国や地域でさまざまです。
誰もが働きがいのある仕事ができることと同時に経済発展もできるような環境を整えることが目標として掲げられています。
※「働きがいも経済成長も」については以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
「働きがいも経済成長も」のターゲット
「働きがいも経済成長も」は、「8.1~8.10」と「8.a、8.b」の計12個のターゲットから構成されています。
ターゲットとは、目標をより細かく具体的に表したものです。
以下が「働きがいも経済成長も」のターゲット一覧です。
8.1 | 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。 |
---|---|
8.2 | 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。 |
8.3 | 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。 |
8.4 | 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。 |
8.5 | 2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。 |
8.6 | 2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。 |
8.7 | 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。 |
8.8 | 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。 |
8.9 | 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。 |
8.10 | 国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。 |
8.a | 後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。 |
8.b | 2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。 |
「 働きがいも経済成長も 」のターゲットは大きく7つに分けられます。
- 経済生産性を高め、経済成長率を持続させる
- 持続可能な生産と消費
- 若年雇用の創出と働きがいのある仕事
- 安心・安全な労働環境づくり
- 観光業の促進
- 金融機関の協力強化
- 国際協力と若者雇用のグローバル化
一つずつお話していきます。
1.経済生産性を高め、経済成長率を持続させる(ターゲット8.1~8.3)
ターゲット8.1~8.3には、一人当たりの経済成長率の維持と企業の成長の後押し、高いレベルの経済生産性について書かれています。
経済成長率は、GDP(国内総生産:その国で1年間に新しく生み出されたモノやサービスの合計金額)で計られます。
GDPが今以上に下がらないようにするとともに、後発開発途上国では毎年少なくとも年7%のGDPの成長を続けられるようにすることが目標です。
また、労働集約型の産業(人の働きによる業務の割合が大きい産業)を中心に経済の生産性を高めることと、個人や企業の成長を支援することも目標に掲げられています。
2.持続可能な生産と消費(ターゲット8.4)
ターゲット8.4には、持続可能な生産と消費について書かれています。
これからは大量生産・大量消費のスタイルをやめ、経済発展と地球環境の両方を守ることが大切になります。
そのため、各国や各企業が生産・消費スタイルを改め開発を進めていくことが目標です。
3.若年雇用の創出と働きがいのある仕事(ターゲット8.5,8.6)
ターゲット8.5,8.6には、若者の雇用の創出と誰もが働きやすい環境で仕事ができることが書かれています。
ILOによると、2019年の若者の失業率は約13.6%と報告されており、世界的にも若い世代の失業率は問題視されています。
若い世代の働く人口を増やし、尚且つ誰もが働きがいのある仕事ができるようにすることが目標として掲げられています。
4.安心・安全な労働環境づくり(ターゲット8.7,8.8)
ターゲット8.7,8.8には、児童労働や人身売買などの強制労働の根絶、並びに不安定な雇用状態にある労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進することが書かれています。
世界には学校に行きたくてもいけず、働かなくてはならない子どもたち(5~17歳)が約1億5200万人いるといわれています。
また、移民や女性など不安定な雇用状態の雇用者の権利を保護し、安心して働ける環境を促進することが目標です。
※児童労働については以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
5.観光業の促進(ターゲット8.9)
ターゲット8.9には、地方の文化や産品を広め、働く場所をつくりだす持続可能な観光業について書かれています。
観光業とは、観光に関わる宿泊施設や運輸(航空やバスなど)、飲食などのことです。
観光業が盛り上がれば、地元地域の経済が周り雇用の創出や地域の発展に繋がります。
そのため、観光業を盛り上げるための政策や企画が必要になります。
6.金融機関の協力強化(ターゲット8.10)
ターゲット8.10には、金融機関を強化し、すべての人たちが銀行や保険などのお金に関するサービスを使えるようにすることが書かれています。
世界銀行が発表した「グローバル・フィンデックス・データベース2017」報告書によると、世界全体で銀行口座を保有しない成人の数は17億人に上ると報告されています。
金融サービスへのアクセスは、貧困から脱出するための大きなステップになるとともに、働きがいにもつながります。
そのため、誰もが金融機関にアクセスできることが重要になります。
7.国際協力と若者雇用のグローバル化(ターゲット8.a,8.b)
ターゲット8.a,8.bには、国際的な貿易の援助と世界的な戦略をつくり若い世代の雇用を増やすことが書かれています。
開発途上国、特に後発開発途上国への貿易の援助を行い、経済の発展・強化に協力することと、若い世代がより多くのチャンスを得られるように雇用を産出することが書かれています。
これらの課題は、国際的に協力して解決していくことが必要とされています。
まとめ
SDGs「働きがいも経済成長も」のターゲットについてお話しました!
169のターゲットと聞くと「多い」と感じてしまいがちですが、1つの目標ごとに見ていくと実際そんなに多くも難しくもありません。
また、ターゲットを知っておくことで、SDGsの目標への理解や課題もより鮮明になります。
理解を深め、よりよい社会を一緒に作っていきましょう!
最後まで読んでだたきありがとうございました!
※「産業と技術革新の基盤をつくろう」については以下の記事で書いているので、ぜひ興味のある方はご覧ください!