SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」169のターゲットをわかりやすく
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
SDGsには17の目標と169のターゲットが制定されています。
各目標の中に、10個程度のターゲットが存在します。
その中でも今回は、SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の169のターゲットについてお話していきます!
この記事は、
- 169のターゲットとは?
- SDGsについてもっと詳しく知りたい
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
SDGsとは
SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
持続可能な開発とは、国際連合広報局によると「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義されています。
また、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すため、世界全体の経済・社会・環境の三側面における課題を総合的に解決すべき国際目標として掲げられています。
そしてSDGsは、17の目標と169のターゲットから構成されており「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
そのためには、発展途上国だけでなく先進国も積極的に取り組まなければなりません。
まとめると、SDGsは「地球環境が破壊されていく中で、子どもや孫世代にいい地球環境を残せるように世界全体で目標を定め、共に力を合わせて達成していこう」ということです。
ざっくりまとめてしまいましたが、なんとなくそんな感じのことなんだなと理解していただけたら十分です!
※SDGsについては以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
目標15「陸の豊かさも守ろう」
SDGsの17の目標の15つ目「陸の豊かさも守ろう」です。
「陸の豊かさも守ろう」では、「持続可能な形で森林を管理し、砂漠化に対処し、土地の劣化を食い止め、逆転させるとともに、生物多様性の損失に歯止めをかけること」を目標としています。
地球は約3割が陸地の惑星です。
その3割の中で、私たち人間や動物、植物が共に暮らしています。
しかし、人間の暮らしが発展してきたことによって失われた自然環境や動植物が多く存在します。
それらの保護や、これ以上悪化させないためにも「陸の豊かさも守ろう」が目標になっています。
※「陸の豊かさも守ろう」については以下の記事で詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
「陸の豊かさも守ろう」のターゲット
「陸の豊かさも守ろう」は、「15.1~15.9」と「15.a~15.c」の計12個のターゲットから構成されています。
ターゲットとは、目標をより細かく具体的に表したものです。
以下が「陸の豊かさも守ろう」のターゲット一覧です。
15.1 | 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。 |
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15.2 | 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。 |
15.3 | 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。 |
15.4 | 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。 |
15.5 | 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。 |
15.6 | 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。 |
15.7 | 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。 |
15.8 | 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。 |
15.9 | 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。 |
15.a | 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。 |
15.b | 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。 |
15.c | 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。 |
「陸の豊かさも守ろう」のターゲットは大きく7つに分けられます。
- 生物の多様性や生態系の保護
- 森林の増加
- 土地と土壌の回復
- 遺伝資源の適切な利用
- 外来種への対策
- 生物の多様性や生態系を保護するための資金の利用
- 国際的な支援
一つずつお話していきます。
1.生物の多様性や生態系の保護(ターゲット15.1,15.4,15.5,15.7)
ターゲット15.1,15.4,15.5,15.7には、陸上生物の多様性や生態系の保護、密猟や法律違反の動物の売買への対策について書かれています。
現在、IPBESの「生物多様性と生態系サービスに関するグローバルアセスメントレポート(2019)」によると、約100万種類の動植物が絶滅の危機に瀕していることが報告されています。
絶滅の危機にさらされていると推定される割合は、両生類(41%)、哺乳類(25%)、鳥類(14%)です。
多くの動物たちが今もなお、絶滅の危機に瀕しています。
住処をなくしたり密猟されたりなど動物が絶滅していく理由は様々ですが、豊かな地球を残していくために生物の多様性を守り生態系を保護していく必要があります。
2.森林の増加(ターゲット15.2)
ターゲット15.2には、森林の減少をくいとめ、回復させ、世界全体で植林を増やすことが書かれています。
地球は、1990年~2015年の25年間で1.29億ヘクタールもの森林を失いました。
それらは、だいたい南アフリカ大陸の国土面積に匹敵します。
森林がなくなると、動物たちの住処がなくなったり砂漠や干ばつが悪化したり、地球温暖化にもつながります。
地球環境のため、地球で暮らす生き物のためにも植林し森林を増加させることが目標です。
3.土地と土壌の回復(ターゲット15.3)
ターゲット15.3には、砂漠化に対応し、土地と土壌を回復させることが書かれています。
UNDP(国連開発計画)によると「地球の陸地の劣化は速く、毎年1200万ヘクタールの耕作可能な土地が消失している」と発表しています。
日本の本州の土地面積が約2280万ヘクタールなので、1200万ヘクタールは本州の約半分の土地にあたります。
そしてそれは、本州の約半分の土地が毎年農地として機能しなくなっていることを表しています。
砂漠化や干ばつ、洪水の影響を受けておとろえてしまった土地と土壌を回復させ、豊かな自然を取り戻すことが目標です。
4.遺伝資源の適切な利用(ターゲット15.6)
ターゲット15.6には、遺伝資源(産業や研究などに利用できるまたは利用できる可能性がある遺伝的な情報をもつもの)を適切に使うことが書かれています。
植物や動物、微生物などの遺伝資源は、研究や福祉医療に役立ちます。
利用価値のある遺伝素材であるからには、国際的な決まりを守り丁重に扱わなければなりません。
5.外来種への対策(ターゲット15.8)
ターゲット15.8には、外来種の侵入を防ぐとともに、対策を始めることが書かれています。
外来種の侵入によって、在来種が食べられてしまったり新たな病気に感染したりと生態系への影響を与えます。
環境省によると、日本の野外に生息する外国起源の生物の数はわかっているだけでも約2000種は存在すると報告されています。
外来種をこれ以上増やさないことと、今いる外来種に対して対策を始めることが必要とされています。
6.生物の多様性や生態系を保護するための資金の利用(ターゲット15.9,15.a)
ターゲット15.9,15.aには、生物の多様性や生態系の保護のために資金を使えるようにすることが書かれています。
より多くの資金を使うことができれば、植林を増やしたり土地の回復や開発を行うことができます。
生態系の保護や生物の多様性は、たくさんのお金をかけるほどの価値があると言えます。
7.国際的な支援(ターゲット15.b,15.c)
ターゲット15.b,15.cには、国際的な支援や協力を行い、森林や動物の保護を行うことが書かれています。
地球上の陸の豊かさを守るためには、国際的な協力が欠かせません。
特に、開発途上国には森林を増やすための資金支援を行い、世界中が協力して地球の自然を取り戻す活動をしていく必要があります。
まとめ
SDGs「陸の豊かさも守ろう」のターゲットについてお話しました!
169のターゲットと聞くと「多い」と感じてしまいがちですが、1つの目標ごとに見ていくと実際そんなに多くも難しくもありません。
また、ターゲットを知っておくことで、SDGsの目標への理解や課題もより鮮明になります。
理解を深め、よりよい社会を一緒に作っていきましょう!
最後まで読んでだたきありがとうございました!
※「平和と公正をすべての人に」については以下の記事で書いているので、ぜひ興味のある方はご覧ください!