海外のゴミ処理方法とは?海外と日本のゴミを減らすための取り組み事例を紹介
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、海外のゴミ処理方法とゴミを減らす取り組みについてお話していきます。
海外のゴミ処理方法は日本とどう違うのか。
前回の「日本のゴミ処理問題」について書いた記事も参考にしながらお話していきます。
この記事は、
- 海外のゴミ処理事情が気になる
- 各国のゴミを減らすための取り組みとは?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
※「日本のゴミ処理問題」については以下の記事を参考にしてください。
日本と海外のゴミ処理方法の違い
まず、日本と海外ではゴミの分別・回収方法に違いがあります。(参照※1)
日本では、家庭から出るゴミは市民が自ら分別を行います。
韓国も同じ方法でゴミを分別していますが、この方法は世界の中では少数派です。
世界のほとんどの国は、市民は分別せずにゴミをまとめて回収し、あとから専用施設で選別しています。
市民の負担や選別に費用がかかるなど、どちらにもメリットとデメリットがあります。
日本と海外の国のゴミ処理方法について、もう少し詳しくお話していきます。
日本のゴミ処理方法
日本では、市民が自治体の指示に従いゴミを分別しますが、大きく4つのゴミに分かれます。
- 燃えるゴミ(生ごみ、衣類、プラスチック類など)
- 燃えないゴミ(小型の家電、金属類など)
- 資源ゴミ(新聞、段ボール、ペットボトルなど)
- 粗大ゴミ(家具、家電など)
分別したのち、回収されたゴミは、一度焼却してから埋立地に埋められるか、そのまま埋立地に埋められるか、リサイクル資源になるか、の3つの方法で処理されています。
デンマークのゴミ処理方法
環境問題に積極的に取り組んでいるデンマークでは、ゴミの分別はリサイクル資源、可燃ゴミ、埋立ゴミ、危険物の4種類に分かれています。
- リサイクル資源(紙類、リユースしないびん、プラスチックなど)
- 可燃ゴミ
- 埋立ゴミ(石膏ボード、陶磁器など)
- 危険物(化学薬品、オイル、バッテリーなど)
他にも、缶やビン、ペットボトルはデポジット制で、専用の回収マシンに入れると換金することができます。
デンマークのゴミは、65%がリサイクル資源、24%が燃料、11%が埋立てで処理されています。(参照※2)
ドイツのゴミ処理方法
ドイツのゴミの分別方法は、
- 家庭ゴミ
- 資源物(生ごみや草木などの「有機ゴミ」、金属製容器やプラスチック製容器などの「容器包装類」、「紙ゴミ」)
に分けられています。
ペットボトルやビンはデポジット制、衣類や靴は専用の回収ボックスにいれてリサイクルをしています。
ドイツのリサイクル率は65%と言われており、中でもガラスや紙、鉄はいずれも80%以上がリサイクルされています。(参照※3)
アメリカのゴミ処理方法
アメリカは、国で分別や収集方法を指定しているわけではないので、州や市によって分別や収集方法が異なります。
カリフォルニア州では、ゴミ箱を市から有料で借りて「資源物」、「家庭ゴミ」、「草木類」の3つに分別します。
ペットボトルやビンはデポジット制で、家具や衣料、家庭内雑貨はアメリカ全土に回収ボックスを設置している慈善団体に寄付することができます。
アメリカのリサイクル率は約32%で、その他ほとんどが埋立地に埋めて処理しています。(参照※4)
各国のゴミを減らすための取り組み
各国でゴミを減らすために行っている取り組みを紹介します。
- スウェーデン
- デンマーク
- アメリカ(カリフォルニア州サンフランシスコ)
- ベトナム
- 日本
の順に取り組み事例をお話していきます。
1.スウェーデン
スウェーデンでは、以前から生ごみは捨てずに家庭菜園や花壇の肥料に使うなど、生ごみの資源化が行われていました。
それに加えて近年では、生ごみを回収しバイオガスとしても再利用されています。
生ごみと発酵させてバイオガスを作りだし、それをエネルギー資源(再生可能エネルギー)として利用しています。
スウェーデンの家庭ゴミの99%がリサイクルされているのは、このようなシステムが導入されているからです。(参照※5)
2.デンマーク
デンマークでは、ゴミの収集はすべて有料になっています。
これは、ゴミの排出量を減らすための政策として行われています。
また、地域にリサイクルセンターがあり、家庭ごみ以外はすべて無料で持ち込むことができます。
料金は無料なのは、物を買う時に税金(固定資産税)として先に料金を払っているので、どれだけ利用してもお金がかからないという仕組みになっています。
無料で捨てる場所があることにより、不法投棄が防止できています。
3.アメリカ(カリフォルニア州サンフランシスコ)
アメリカのカリフォルニア州の都市、サンフランシスコでは2020年までに「ゼロ・ウェイスト」を目指し、計画が進められてきました。
「ゼロ・ウェイスト」とは、「2020年までに埋め立てゴミを無くし、生ゴミはすべて堆肥化することで土に返し、他のゴミは全てリサイクルする」という目標設定の元、行われていた活動です。(参照※6)
その結果、2012年にはゴミの80%をリサイクルや堆肥化、リユースすることに成功し、アメリカ国内で最高のリサイクル率を誇っています。
しかし、2020年までに目標が達成できないことを認め、期限を2030年までに延期することが2018年に開催された「グローバル気候行動サミット」で発表されました。
4.ベトナム
ベトナムでは、生ゴミは調理くずと残飯に分けて処理しています。
調理した時に出る調理くずはゴミ、残飯は家畜のエサとして利用されています。
また、街には資源物を買い取る人がいて、古紙や缶、ビン、ペットボトルなどの買い取りを行っているので、家庭の資源物のほとんどはその人たちに売られています。
行政が回収したゴミでも、肥料になりそうなものは肥料として再利用し、残ったゴミは焼却か埋め立てが行われます。
残ったゴミの中でもリサイクルできるものや売れるものを探す人たちがいて、きちんとした制度が整っていなくても市民の経済活動によって自然と資源がリサイクルされています。
5.日本
日本では、以前から3R(リデュース、リユース、リサイクル)が推進されています。
また、近年では飲食店やスーパーでも食品ロスへの対策が行われています。
そしてメルカリなどのフリマアプリの普及によって、「いらない物は捨てずに売る」ことが一般的になり、自然と物が循環するようになりつつあります。
※「3R」と「食品ロス」については以下の記事で書いているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
海外と日本のゴミ事情についてお話しました。
やはり北欧やヨーロッパは環境先進国と言われるだけあって、リサイクル率が高く環境問題への取り組みも積極的です。
ゴミを減らすために私たちが今日からできることは、マイバックやマイボトルを持ち運んだり、洗って何度も使える容器やラップを使用していくことです。
できることから少しずつ取り組んでいきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参照
※1 「日本と海外はどう違う?世界の資源物リサイクル事情」(http://www.recycledesign.or.jp/rd/pdf/rd255.pdf)
※2 CASA「デンマークのゴミ処理、リサイクルセンター」(https://www.casa1988.or.jp/index.htm)
※3 ドイツ連邦環境庁(UBA)プレスリリース(https://www.umweltbundesamt.de/en/press/pressinformation/further-increase-in-packaging-consumption-in-2018)
※4 米国環境保護庁(https://www.epa.gov/)
※5 経済協力開発機構「OECD加盟34ヵ国、一般廃棄物の処理とリサイクル率(2013年)」(https://www.oecd.org/)
※6 ゼロ・ウェイストアカデミー(https://zwa.jp/)