開発途上国の定義とは?発展途上国や新興国、後発開発途上国との違いも解説

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開発途上国の定義とは?発展途上国や新興国、後発開発途上国との違いも解説

こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。

この記事では、開発途上国の定義から発展途上国や新興国、後発開発途上国との違いについてお話していきます。

この記事は、

  • 開発途上国の定義を知りたい
  • 発展途上国や新興国、後発開発途上国との違いってなに?

といった方におすすめの記事です。

ぜひ最後までご覧ください!

開発途上国とは

開発途上国と聞くと、「経済的に豊かではない国」「未発展の国」というイメージをするかと思います。

2018年~2020年のDACリスト(DAC援助受取国・地域リスト)によると、世界196ヵ国中で開発途上国と呼ばれる国は143ヵ国存在します。

そして、世界人口の約8割以上の人々が開発途上国で暮らしていると言われています。

開発途上国の定義

どういう国が開発途上国と呼ばれるのか、きちんとした定義があります。

定義を説明するにあたり以下の3つの言葉を使います。

OECDDACODA です。

  • OECD(経済協力開発機構)は、経済的に進んだ国が経済発展途上の国々を支援するために全力で協力することを目的とした国際的な機関
  • DAC(開発援助委員会)は、OECDの中にある委員会で、OECDの中で途上国支援について専門的に議論する組織
  • ODA(政府開発援助)は、開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動の公的資金

そして、OECDが作成する「DACリスト(DAC援助受取国・地域リスト)」に記載されてる国が開発途上国にあたります。

「DACリスト(DAC援助受取国・地域リスト)」は、OADによる援助を受けとる資格がある国や地域を示したリストです。

つまり、開発途上国とは「OECDに加盟している国から経済発展のための援助を受ける側」のことを言います。

DACリストは3年ごとに更新され、年度ごとに国や地域の変動もあります。

また、DACリストは所得などに応じて4つの段階に分かれており、所得が低く開発が遅れている順に「後発開発途上国」「低所得国」「低中所得国」「高中所得国」と分類されています。

そして、DACリストには基準があり、その基準を満たしている国や地域のみがOECD加盟国からOADを受け取ることができます。

DACリストの基準

DACリストに載っているのは、以下の基準のどちらかに当てはまる国や地域です。(最新リスト

  1. 世界銀行によって、高所得国(1人当たり国民総所得(GNI)が12,535ドル以上の国)以外に分類される国
  2. 国連によって、後発開発途上国に分類される国

以上のどちらかに当てはまる国や地域がDACリストに記載され、援助を受けることができます。

つまり、極端に言えば「高所得国以外の国はすべて開発途上国」と言えます。

なので、開発途上国に分類はされているけれども、実際にはそんなに経済的に困窮していない国がたくさんあります。

※開発途上国の真実については長くなるのでまた別の記事でお話します。

発展途上国・新興国・後発開発途上国との違い

開発途上国と似ている言葉で、発展途上国や新興国、後発開発途上国という言葉があります。

  • 発展途上国
  • 新興国
  • 後発開発途上国

の順に、それぞれ開発途上国との違いをお話していきます。

開発途上国と発展途上国

実は、「開発途上国」と「発展途上国」に違いはありません

開発途上国と発展途上国は同じ意味で使われます。

開発や発展にあたる英語、「Development」の訳し方で言葉に違いが生まれました。

言葉に違いをもたせるならば、

  • 「開発」は他者が対象に対して働きかけ、成長させる(受動的)
  • 「発展」は対象自体が自律的に成長、変化している(能動的)

といったニュアンスの違いは感じられます。

用途としては同じように使われるので、どちらかが間違っているというわけではありません。

ただ、SDGs(Sustainable Development Global Goals)では「持続可能な開発目標」と訳されていることや、Googleで検索したところ、発展途上国よりも開発途上国の方がヒット件数が多かったことから「開発途上国」の方がよく使われているのではないかと思います。

開発途上国と新興国

新興国とは、開発途上国の中でも経済発展が著しい国のことを指しており「エマージング・カントリー」とも呼ばれます。

開発途上国の中でも、先進国や高所得国とまではいかないが発展が目覚ましい国が新興国とです。

例えば、ブラジルやロシア、インド、中国などが新興国にあたります。

開発途上国と新興国は、「新興国は開発途上国の中で経済発展が進んでいる国」という点で違いがあります。

開発途上国と後発開発途上国

後発開発途上国(LDC:Least Developed Country)は、開発途上国の中でも特に経済や産業の発展が遅れている国、いわゆる「貧しい国」と言われる国のことです。

皆さんがイメージする「開発途上国」は、「後発開発途上国」のことだと思われます。

開発途上国の中でも、後発開発途上国に分類されるかは基準をもとに認定されます。

【後発開発途上国の基準(2018)】

以下の3つの基準を満たし、当該国が同意をすると後発開発途上国になります。(参照:外務省

  1. 一人あたりGNI(国民総所得)が、1,025米ドル以下(2014~2016年平均)
  2. HAI(人的資源開発の程度を表すためにCDPが設定した指標)が一定値以下
  3. EVI(外的ショックからの経済的脆弱性を表すためにCDPが設定した指標)が一定値以下

つまり、所得・人的資源・経済面の3つ、すべて値が低い場合、後発開発途上国に認定されます。

現在、エチオピアやタンザニア、セネガルなどのアフリカの国や、カンボジアやラオス、ミャンマーなどのアジアの国も後発開発途上国にあたります。

開発途上国の中でも特に所得や人的資源、経済が乏しい国のことを「後発開発途上国」と呼びます。

まとめ

開発途上国の定義から発展途上国や新興国、後発開発途上国とのちがいについてお話しました。いかがだったでしょうか?

「開発途上国」と聞くと、「後発開発途上国」のような貧しい国のことをイメージしてしまいがちですよね。

しかし、実際にはブラジルやロシアなども開発途上国とよばれ、世界の国の約7割が開発途上国です。

「開発途上国」=「貧しい」という考えは、半分正解で半分は間違いです。

正しい知識を身に付けて、一緒にできることを探していきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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