フェアトレードとは?歴史から仕組み、問題点までわかりやすく解説
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、フェアトレードの歴史や仕組み、問題点についてお話していきます!
この記事は、
- フェアトレードって何?
- どういう仕組みで成り立っているの?
- 問題点は?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後まで読んでいってください!
フェアトレードとは?
フェアトレード(fair trade)とは、英語で「公正取引・公正貿易」という意味です。
つまり、「生産された商品や食品を値下げすることなく、正規の値段で取引をすること」です。
皆さんは普段の生活の中で、自分が使っているものがどこで作られて、どう届いているか考えたことはありますか?
もし今使っているものが開発途上国で作られ、皆さんが払う値段よりもすごく安い値段で取引されていたらどう感じますか。
実際、先進国や私たち消費者に届くモノは、ほとんど開発途上国で作られています。
開発途上国の生産者や労働者は、生産物を不当に安い価格で買われてしまい、低賃金労働を強いられています。
この問題を解決するために生まれたのが、フェアトレードです。
- フェアトレードの歴史
- フェアトレードの考え方
- フェアトレードの目的・目標
以上の順に、フェアトレードについて詳しくお話していきます!
1.歴史
フェアトレードの始まりは、第二次世界大戦後の1947年からと言われています。
東欧の経済復興のため、アメリカの国際協力NGO(Ten thousand village)でボランティアをしていた女性が、手工芸品の販売を行ったことが始まりです。
その後、1950年代にはイギリスの国際協力団体OXFAMも同じような活動を開始しました。
そして、1960年代になるとアメリカやイギリスだけでなく、フェアトレードの考えに共感した他のNGOも参加し、より一般市場向けの製品の販売を始めました。
1970年代になると、手工芸品以外(コーヒー豆やバナナなど食料品、衣料品等)もフェアトレード商品になり、現在に至ります。
フェアトレードは、今から約70年以上も前から始まっていたのです。
2.考え方
フェアトレードの考え方は、「先進国と開発途上国が対等な立場で貿易を行うこと」です。
先進国は、社会的・経済的にも開発途上国よりも強い立場にあります。
だからといって、開発途上国で作られたモノを安い値段で買い取ってもいいのでしょうか?
フェアトレードは、「貿易をする際に先進国と開発途上国の公平さを図り、開発途上国の生産者や労働者の権利を強化することの実現」に貢献しています。
3.目的・目標
フェアトレードの目的は、「開発途上国の生産者や労働者に公正な賃金を支払うこと」です。
目的については、もしかしたら事前に知っていた方もいらっしゃるかと思います。
みなさんはその先をご存じですか?生産者や労働者に公正な賃金が支払われた後のことを。
公正な賃金が支払われると、以下のようなことが起こります。
- 安定した賃金を得ることができる
- 消費活動が活発化する
- 国の経済を循環させることができる
- 結果、国自体が豊かになる
フェアトレードは生産者や労働者だけでなく、国全体の経済を豊かにすることができます。
また他にも、
- 児童労働者が減り、子どもが教育を受けられるようになる
- 貧困による乱開発(森林伐採等)を防ぐことができる
以上のようなことも、フェアトレードでは目標にしています。
フェアトレードの目的は、「開発途上国の生産者や労働者に公正な賃金を支払うこと」ですが、その先にある目標では、様々なことが掲げられています。
フェアトレードの仕組み
フェアトレードは、正規の値段で取引をするならば誰でも行えるわけではありません。
一定の基準を満たし、国際フェアトレード認証ラベルがついている製品のみがフェアトレード商品として扱われます。
一定の基準とは、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)によって設定された国際フェアトレード基準のことです。
国際フェアトレード基準は、生産者とトレーダーの双方が守り生産や取引を行わなければなりません。
【国際フェアトレード基準】
経済・社会・環境の三つの原則から成り立っています。
経済的基準 | 社会的基準 | 環境的基準 |
・フェアトレード最低価格の保証 ・長期的な取引の促進 ・前払いの保証など | ・安心・安全な労働環境 ・民主的な運営 ・児童労働・強制労働の禁止など | ・有機栽培の奨励 ・土壌・水源・生物多様性の保全 ・遺伝子組み換え品の禁止など |
上記を含め、他にもある基準を満たしたフェアトレード商品にのみ、国際フェアトレード認証ラベルが貼られています。
フェアトレードは、生産者も取引をする側もあらゆる基準を満たさないといけません。
フェアトレードの問題点
フェアトレード商品は、メリットがたくさんありますが問題点もあります。
フェアトレード商品の問題点を3つ取り上げてお話していきます。
- 価格が高い
- 品質が安定しない
- 基準があいまい
一つずつお話していきます!
1.価格が高い
フェアトレード商品は、フェアトレードでない商品に比べて価格が高くなっています。
その理由は3つあり、1つ目は正規の値段での取引だからです。「フェアトレード商品が高いというよりかは、普段の値段が安すぎる」といったほうが正しいかなと思います。
2つ目の理由は、フェアトレードの認証にお金がかかるからです。売り上げや商品数に応じて支払う手数料は変動します。
3つ目の理由は、緊急時の補助金のためです。カカオやバナナなどの農作物は天候の変化によって収穫量も変わってきます。不作の時は収入が一気に下がってしまうので、それに備えた補助金がフェアトレード商品に含まれています。
以上の理由から、フェアトレード商品の値段は高くなっています。
2.品質が安定しない
開発途上国で作られる商品は、衛生管理や技術面の問題で品質が安定しません。
普段の2倍ぐらいの値段を支払ったのに、質にムラのある商品だったら消費者はどう思うでしょう?選ばなくなりますよね。
質のいいものを作り続けるには、インフラの開発や生産者の技術の向上が必要になってきます。
しかし開発途上国では、なかなか難しい課題になっています。
3.基準があいまい
実は、フェアトレードの認証の種類は3つ存在しています。
先ほども紹介した「国際フェアトレード認証ラベル」、フェアトレード団体を認定する「WFTOマーク」、企業や団体が独自に基準を設定する「その他のマーク」です。
WFTOマークは、WFTO(世界フェアトレード連盟)に加盟していて、団体の貿易活動が持続可能であり、改善に向けて継続的に努力していることを示しているマークです。
一番注意したいのが、「その他のマーク」です。独自の基準を満たしているだけなので、本当にフェアトレード商品なのかはわかりません。
フェアトレード商品を買う際は、「国際フェアトレード認証ラベル」がついている商品を選べことをおすすめします!
おすすめフェアトレード商品
おすすめのフェアトレード商品を3つ紹介していきます!
どこの商品も質が良く、私は今でも利用させてもらっています!
1.ピープルツリー(People tree)
ピープルツリーは、フェアトレード商品を専門としている会社です。
フェアトレードだけでなく環境にも配慮した作り方をされています。また食品だけでなく、衣料品や雑貨がとても充実しています。
特に有機栽培された茶葉を使用している紅茶がおいしかったのでおすすめです。
2.小川珈琲
小川珈琲は京都に本社のある会社ですが、SDGsの取り組みとしてフェアトレードのコーヒー豆の販売を始められました。
小川珈琲のフェアトレードコーヒー豆は、国際フェアトレード認証と有機JASをもらっているのできちんとしたフェアトレード商品です。
少し苦みが強いので、深煎りのコーヒーが好きな方におすすめです。
3.マウントハーゲン
マウントハーゲンはドイツのブランドで、パプアニューギニアを中心にペルー、メキシコ、ホンジュラスなどの国々のコーヒー豆を使っています。
国際フェアトレード認証の他にも有機JAS認証、EU共通オーガニックマークもあり、安心・安全なコーヒー豆です。
マウントハーゲンは、独自の製法でカフェインレスの豆も販売しています。
少し酸味が強いので、酸味のあるさっぱりしたコーヒーが好きな方におすすめです。
まとめ
フェアトレードについて、仕組みと問題点をお話しました!いかがだったでしょうか?
日本でもフェアトレードを取り入れている企業や団体が増えているのでより身近になったと思います。
しかし、本当にフェアトレード商品かどうかわかりにくくなっているのも現状です。
購入の際は、ラベルの確認や団体を調べるなどをして判断してください!
せっかく開発途上国のためになると思って買った商品でも違っていたら悲しいですからね。
私はコーヒーが大好きで毎日飲むのですが、小川珈琲やマウントハーゲンのコーヒー豆を選んでいます!
フェアトレード商品でも十分おいしいので興味のある方はぜひ試してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!