「昆虫食」が食糧危機を救う!?世界での昆虫食の普及率と将来性について
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、昆虫食についてお話していきます。
2013年、国際連合食糧農業機関(FAO)が食糧問題の解決策として「昆虫食」を推奨してから、「昆虫食」が世界で注目を集めています。
ヨーロッパ各国では食用昆虫の生産と販売を許可していたりと、海外ではすでに積極的に活用し始めています。
この記事は、
- 昆虫食って何?
- なぜ昆虫食が注目されているの?
- 昆虫食の普及率は?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
なぜ「昆虫食」が注目されているのか
2013年に国際連合食料農業機関(FAO)が「食用昆虫─食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望─」という報告書を発表してから、世界中で「昆虫食」が注目されるようになりました。(※1)
この報告書には、今後起こると予想されている「人口爆発」や「地球温暖化」に伴う食糧問題の解決手段として「昆虫食」を推奨する、といった内容が書かれています。
特に、報告書の中で動物性タンパク源のコスト上昇や良質なタンパク源の奪い合いが激しくなると予想されており、「タンパク源不足」が問題視されています。
その「タンパク源不足」を補うためにも「昆虫食」が注目されるようになりました。
※人口爆発と食糧危機については以下の記事で書いているので、ぜひ参考にしてください。
「昆虫食」のメリットとは
「昆虫食」のメリットとして、以下の5つがあげられています。(※1)
- 温室効果ガスやアンモニアの排出が少ない
- 飼料からのタンパク質への変換効率が高い
- 小さいスペースで飼育ができる
- 可食部が多く廃棄率が少ない
- 哺乳類、鳥類、魚類等の動物を食料とするのに比べて環境面で優れている
また、ビタミンやミネラルも豊富で、鶏肉よりもタンパク質が多く脂質も少ないため、昆虫は「栄養価が高い」と言われています。
他にも、育成コスト・運搬コストが少ないことから、宇宙食や北極・南極などでの利用も検討されているほど、「昆虫食」には多くのメリットがあります。
「昆虫食」が環境問題・食糧危機を救うと考えられている理由
2022年現在、世界人口は79億人を超え、2050年には97億人に増加すると予想されています。(※2.3)
この急激な人口増加に食料生産が追いつけなくなり、世界各地で深刻な食糧危機が起こりつつあります。
2021年時点で飢餓人口は8億2800万人にのぼり、前年度の2020年よりも4600万人、2019年より1億5000万人増加し、世界人口の9.8%を占めているのが現状です。(※4)
また、地球温暖化の原因の一つとしてあげられる畜産が、近年特に問題視されているのも「昆虫食」が推奨されている理由の一つです。
FAOは、温室効果ガス排出量の18%は畜産によるものであり、今後もその値は増加していくと推測しています。
そして、これらの環境問題・食糧危機を救うために「昆虫食」が推奨され始めました。
「昆虫食」はメリットであげたように、栄養価が高い上に飼育コストが少なく済むため、環境負荷を抑えながらも良質なタンパク源を生産できるとして、世界中で注目されています。
※畜産と環境破壊については以下の記事で書いているので、ぜひ参考にしてください。
「昆虫食」の普及率と将来性は?
27ヵ国が加盟するヨーロッパ連合EUでは、2018年1月1日から「昆虫食」を自由に取引できるように「ノベルフードに関する規制」が施行されるようになりました。
ヨーロッパでは、昆虫食を使用した料理を提供するレストランができたりと、昆虫食に積極的に取り組んでいます。
また、日本でも無印良品が「昆虫食」に注目し、「コオロギチョコ」や「コオロギせんべい」の販売を始めたりと、日本でも昆虫食が扱われるようになりました。
また、2019年度には70億円だった世界の昆虫食市場規模は、2025年度には1,000億円規模に達すると予測されており、今後「昆虫食」が大きくビジネスとしても成長する可能性があります。(※5)
まとめ
「昆虫食」についてお話しました。
「昆虫食」には様々なメリットがあり、環境問題や食糧危機を救う食材としても注目されています。
「昆虫食」に挑戦したいけど見た目に抵抗があるという方は、粉末状や見た目がわかりにくいものに挑戦してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参照
※1 FAO「Edible insects: Future prospects for food and feed security」(https://www.fao.org/3/i3253e/i3253e.pdf)
※2 UNFPA「世界人口白書2022」(https://tokyo.unfpa.org/ja/SWOP2022)
※3 国際連合報告センター「人口と開発」(https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/population/)
※4 「世界の食料安全保障と栄養の現状 (SOFI)の2022年版」(https://data.unicef.org/resources/sofi-2022/)
※5 株式会社日本能率協会総合研究所「世界の昆虫食市場2025年に1,000億円規模に」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000035568.html)