オーガニックとは?オーガニック製品は体だけでなく環境にも良いのか
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、オーガニックと環境問題の関係についてお話していきます。
近年でも聞きなれるようになった「オーガニック」。
体に良いイメージはありますが、果たして地球環境との関わりはどうなのでしょうか?
この記事は、
- オーガニックとは?
- オーガニックは環境に優しいの?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
オーガニックとは
オーガニック(Organic)とは「有機」という意味で、「化学肥料や農薬などを使わずに自然の恵みを大切にした農業や栽培方法」を指しています。
世界には、300以上のオーガニック認定機関があり、各機関が定める一定基準をみたしてつくられたものにのみ「オーガニック」の表示をすることが認められます。
日本でオーガニックを名乗るには、有機食品のJASに認証され「有機JASマーク」を貼る必要があります。
オーガニックは環境にいい?
結論からお話すると、「オーガニックは環境に良い」です。
その理由をお話していきます。
オーガニックが環境に良い理由
オーガニックが環境にいい理由を3つお話します。
- 炭素を貯蔵できる
- 土壌の質が良い
- 生物多様性の保全に効果的
それぞれお話していきます。
1.炭素を貯蔵できる
FiBL(有機農業研究所)が行なった研究で、有機農業が営まれている田畑ではより多くの炭素が土中に貯蔵されることが発表されました。
さらに、有機農業が営まれている田畑では土中の炭素が年平均2.2%増加するのに対し、慣行農業(農薬を使用した農業)では増加しないことが確認されています。
土中に炭素を貯蔵できるということは、地球温暖化対策に繋がります。
地球温暖化の主な原因は、温室効果ガスが大量に排出されることです。
温室効果ガスの7割以上を占めているのが二酸化炭素です。二酸化炭素は炭素と酸素の化合物で、空気中にある炭素と酸素がくっつくことにより合成されます。
そのため、土中に炭素を貯蔵できると炭素と酸素が合成するのを防げるので、空気中の二酸化炭素の減少が期待できます。
その他にも、米ロデール研究所の研究で有機農業で食料が生産された場合は、エネルギー使用量の45%カット、炭素排出量の40%削減に繋がることがわかっています。
2.土壌の質が良い
有機農業は、土壌の健康状態を高めることができて、水害や干ばつなどの異常気象条件下でも比較的安定した収量を確保することができるという報告があります。
米ロデール研究所が行った有機農法と慣行農法を比較した研究では、有機農法のほうが干ばつ時の収量が最大40%高くなることが明らかになりました。
有機農業が営まれている土壌は土壌有機物が多く保水性が高いことから、水不足が起きても農作物の収量を安定させることが可能だったと結論づけています。
3.生物多様性の保全に効果的
慣行農業で虫除けや除草のために使用する農薬や化学肥料は、土壌の生物や排除不要な植物にまで影響を及ぼしています。
食料を作るために必要不可欠なのは昆虫や蜂による受粉ですが、農薬を使用することで雑草や害虫以外の想定外の昆虫にも被害がでてしまいます。
実際に、地球上の昆虫は年々減少しており、このままでは生態系が崩れる可能性があります。
農林水産省によると、「環境にやさしい農業を営んでいる周りには多くの生物が住むという研究結果がでており、オーガニックな農法が生物多様性の保全に効果的である」と報告されています。
オーガニックの問題点
一見、メリットしかないようにも見えるオーガニック(有機農業)ですが、問題点もあります。
1つは、「商品の質が安定しない」ことです。
農薬を利用しないため病害虫の被害が多くなる場合や、化学肥料を使わないことにより栄養が不足し味が落ちやすくなる場合があります。
そして2つめは、「面積あたりの収穫量が減少する」ことです。
有機農業は慣行農業と比較すると、面積あたりの収穫量が約8~25%低いという研究結果がでています。
また、スウェーデンのチャルマース工科大学を中心とした合同研究チームが発表した研究では、「有機農法は従来型農法よりも二酸化炭素を70%も多く排出する」という研究結果が発表されています。
これは、有機農業の面積あたりの収穫量の低さから、慣行農業と同じ収穫量を得ようとすると広大な土地が必要となり、そのために森林伐採がされれば、その分二酸化炭素排出量が増えることを示唆する研究結果です。
まとめ
オーガニックと環境問題の関係についてお話しました。
オーガニックは基本的には、環境に良いと言えます。
しかし問題点もあり、補うための行動次第で地球環境を悪化させる可能性もあります。
日本ではオーガニック製品の生産量が少ないため、日本で生産されたオーガニック製品の量的な問題はまだあまり気にしないでよいのではないかと思っています。
今後のオーガニック製品のあり方には注目していきたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!