経済活動と環境汚染は関係している?コロナ禍でみえた環境改善とは
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、コロナ禍でみえた環境改善についてお話していきます。
2020年から流行りだした新型コロナウイルス。
その影響で世界の経済活動がストップし、環境改善がみられた国があります。
この記事は、
- 経済活動と環境汚染は関係している?
- コロナ禍で環境改善がみられた国とは?
といった方におすすめの記事です。
経済活動と環境汚染は関係している?
経済活動の増加が環境汚染に繋がっていることは様々な研究ですでに明らかにされています。
特に、産業革命以降の大量生産・大量消費のシステムは石油や石炭などの化石燃料を大量に使用し、大気中に温室効果ガスを排出させました。
これらの行動から、地球温暖化や気候変動、環境汚染が広がり、世界中で解決すべき問題として取り組まれています。
現在、日本では環境汚染に対して6つの分野で施策が行われています。(参照※1)
各分野 | 内容(一部抜粋) |
第1章 地球環境の保全 | 第1節 地球温暖化対策 第2節 気候変動の影響への適応の推進 第3節 オゾン層保護対策 |
第2章 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組 | 第3節 生物多様性保全と持続可能な利用の観点から見た国土の保全管理 第4節 海洋における生物多様性の保全 第5節 野生生物の適切な保護管理と外来種対策の強化 |
第3章 循環型社会の形成 | 第5節 適正処理の更なる推進と環境再生 第8節 循環分野における基盤整備 |
第4章 水環境、土壌環境、地盤環境、海洋環境、大気環境の保全に関する取組 | 第2節 水環境の保全 第4節 土壌環境の保全 第5節 地盤環境の保全 第6節 海洋環境の保全 第7節 大気環境の保全 |
第5章 包括的な化学物質対策に関する取組 | 第1節 化学物質のリスク評価の推進及びライフサイクル全体のリスクの削減 第5節 国内における毒ガス弾等に係る対策 |
第6章 各種施策の基盤となる施策及び国際的取組に係る施策 | 第2節 グリーンな経済システムの構築 第9節 公害紛争処理等及び環境犯罪対策 |
また、新型コロナウイルスの影響で世界中でロックダウンが起こった2020年4月と5月では、大気汚染物質である窒素酸化物の総排出量は世界で少なくとも15%、欧州や北米などの地域では18-25%減少していることが発表されています。(※2)
この研究結果から、ロックダウンにより経済活動がストップしたことで環境が改善したことがわかります。
環境改善がみられた国
スイス企業「IQエア」が世界106ヵ国の都市について有害な微小粒子状物質PM2.5の濃度などを調べた結果、調査対象のうち65%の都市・84%の国で大気環境の改善がみられたことが報告されています。
その中でも大幅に環境改善がみられた3ヵ国を紹介していきます。
インド
近年、経済の発展と人口の増加が見覚ましいインドですが、一方で大気汚染が問題視されていました。
しかし、2020年3月25日にインド全土をロックダウンした後、大気汚染に劇的な改善がみられたことが報告されています。
インドの環境政策「シンクタンクCEEW」の調査では、ロックダウンが始まった以降、首都やムンバイ、チェンナイなどの各都市でPM2.5が30~50%減少したことが発表されています。
その理由として、交通量の激減と工場の稼働停止があげられており、新たに発生する汚染物質がなくなったことから環境改善がみられたと分析されています。
実際に、Twitterで「ヒマラヤ山脈がハッキリみえる」といった投稿があがっていたり、青空や星空が見えるようにもなり、目にわかるような変化がみられています。
中国
工業地帯が多い中国でも、以前から大気汚染が問題視されていました。
そんな中国でもロックダウン後、PM2.5などの有害物質の濃度が下がり、中国生態環境省大気環境局長の劉炳江は記者会見で、「二酸化窒素(NO2)の濃度は1990年代のレベルまで低下した」と話しています。
その後、中国では規制が緩和され5月から工場の稼働が再開してからは例年通りの大気汚染量に戻ったことが発表されています。
この結果は、環境汚染と経済活動が関係していることを表しているとともに、環境改善と経済活動の両立の難しさを表す結果となりました。
イタリア(ベネチア)
イタリアの都市であり有数の観光地でもあるベネチアでは、運河の水路の透明度が増したことが発表されています。
ベネチアには、年間約3000万人を超える観光客が訪れており、受け入れ能力を超える「オーバーツーリズム」が問題となっていました。
しかし、新型コロナウイルスの影響で観光客が激減、観光に使われていたボートが大量に運休したことにより、水路の透明度があがったのではないかと言われています。
日本でも環境改善がみられたのか
日本では2020年から2021年の間で4回の緊急事態宣言が発表され、自粛が余儀なくされました。
その結果、日本でも他の国と同じように環境改善がみられたことがわかっています。
情報通信研究機構(NICT)が開発した大気の清浄度の高さを示す指数「CII(クリーン・エア・インデックス)」によると、2020年3~5月の日本全国の数値は、過去5年の各月の平均値をいずれも上回ったことが確認されています。
しかし、経済活動が再開した6月からは例年と同様の数値まで空地の状態が戻っています。
まとめ
コロナ禍でみえた環境改善についてお話していきました。
経済活動が止まると環境改善がみられ、経済活動が再開すると例年通りの空気の状態になっていることから、環境汚染と経済活動が密接に繋がっていることがわかります。
今回のパンデミックで、「経済活動と環境改善の両立」が難しい課題であることも判明しました。
しかし、脱炭素社会や再生可能エネルギーの普及などが実現すれば、経済活動と環境改善が両立できる未来が来るはずです。
私たちもできることから少しずつ行動していきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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参照
※1 環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」