SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の原因と現状~私たちにできること~
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、SDGs17の目標の1つ「陸の豊かさも守ろう」の原因と現状、私たちができることについてお話していきます!
この記事は、
- SDGsの目標「陸の豊かさも守ろう」ってなに?
- 私たちにできることはあるの?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
※他にもSDGsについての詳しい記事を書いているので、興味のある方はぜひご覧ください!
SDGsとは?
SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
持続可能な開発とは、国際連合広報局によると「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義されています。
また、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すため、世界全体の経済・社会・環境の三側面における課題を総合的に解決すべき国際目標として掲げられています。
そしてSDGsは、17の目標と169のターゲットから構成され「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
発展途上国だけでなく、先進国も積極的に取り組まなければなりません。
SDGs 17の目標
SDGsには、17の目標が掲げられています。
- 目標1 貧困をなくそう
- 目標2 飢餓をゼロに
- 目標3 すべての人に健康と福祉を
- 目標4 質の高い教育をみんなに
- 目標5 ジェンダーの平等を実現しよう
- 目標6 安全な水とトイレを世界中に
- 目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 目標8 働きがいも経済成長も
- 目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標10 人や国の不平等をなくそう
- 目標11 住み続けられるまちづくりを
- 目標12 つくる責任つかう責任
- 目標13 気候変動に具体的な対策を
- 目標14 海の豊かさを守ろう
- 目標15 陸の豊かさも守ろう
- 目標16 平和と公正をすべての人に
- 目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
今回は、この中の目標15「陸の豊かさも守ろう」についてお話していきます!
陸の豊かさも守ろう
この目標の概要は、「持続可能な形で森林を管理し、砂漠化に対処し、土地の劣化を食い止め、逆転させるとともに、生物多様性の損失に歯止めをかけること」です。
地球は、海洋と陸地が7:3の割合で海洋面積の方が多く水の惑星です。
約3割の陸地の上で私たち人間は生活しています。
そして、人間だけでなくあらゆる生き物や植物、木も陸地に生息しています。
人間の生活が、地球環境や動植物に影響を与えてしまっていることは皆さんご存じかと思います。
この目標では、「なくなってしまった自然を復活させ、人間・動物・植物の生態系がこれ以上失われないようにすること」を目指しています。
では、世界の陸地の状態からお話していきます。
※「陸の豊かさも守ろう」の169のターゲットについて書いている記事もあるので、ぜひ参考にしてください。
世界の陸地の状態
地球は、1990年~2015年の25年間で1.29億ヘクタールもの森林を失いました。
また、UNDP(国連開発計画)によると「地球の陸地の劣化は速く、毎年1200万ヘクタールの耕作可能な土地が消失している」と発表しています。
日本の本州の土地面積が約2280万ヘクタールなので、1200万ヘクタールは本州の約半分の農地が毎年なくなっていることになります。
本州を全部農地とすると、2年で使えない農地になってしまいます。それほど、陸地の自然や緑、土壌の質は失われているのです。
また、IPBESの「生物多様性と生態系サービスに関するグローバルアセスメントレポート(2019)」によると、約100万種類の動植物が絶滅の危機に瀕していることが報告されています。
自然が失われることで、動物や植物にも影響を与えてしまうのです。
陸地の自然が失われていく原因
陸地の自然が失われていく原因を3つ取り上げてお話します。
- 工場型畜産業
- 貧困
- 森林伐採
一つずつお話していきます。
工場型畜産業
工場型の畜産業は、広大な土地が必要になります。
そして、家畜を育てるためにはエサや水も必要で、エサを作るための農地や水源を確保する必要があります。
農林水産省によると、「牛肉1kgを生産するには11㎏、豚肉は7㎏、鶏肉は4㎏の穀物が必要になる」と言われています。
また、地球の陸地の約26%を畜産業が使用しており、世界で生産される穀物の約40%は家畜のための飼料にされています。
畜産業は一見、自然を失うことと関係がないように思えますが、実は世界中で問題視されている事柄の一つです。
※畜産については以下の記事で詳しく書いているので、興味のある方はぜひご覧ください!
貧困
「貧困」と「陸地の自然が失われること」は、あまり関係がないように思いますよね。
しかし、ご自身が貧困と思う地域や国を想像してみてください。木や森はありましたか?緑が豊かでしたか?
大体の方は、違ったと思います。緑も水も少ない、砂漠のような地域を想像したのではないでしょうか。
それには理由があります。貧困の地域では、切った木を売りお金にしています。
貧困は、飢餓や教育が受けられないこと以外に森林破壊の原因にもなります。
森林伐採
森林伐採は、陸地の自然が失われる大きな原因です。
FAO(国連食糧農業機関)によると、「1990年には、世界に41.28億ヘクタールの森林面積があったが、2015年には39.99億ヘクタールまで減少し、25年間で1.29億ヘクタールもの森林を失った」と報告されています。
1.29憶ヘクタールは、南アフリカの国土面積に匹敵しています。
森林は、恐ろしいスピードでなくなっていき、そのほとんどが人間の居住地や工場、畑、農地、牧草地などに変わっています。
陸地の自然が失われることによる影響
陸地の自然が失われることによって起こる2つの事柄についてお話します。
- 土壌の劣化、砂漠化
- 生物多様性の減少
一つずつお話していきます。
土壌の劣化、砂漠化
土壌の劣化とは、何らかの原因で土壌の質が低下し、生態系の機能や生産性が低下していくことです。
土壌が劣化した土地は、穀物を栽培することが難しくなったり砂漠化していく恐れがあります。
FAO(国連食糧農業機関)によると、「地球上の土壌の33%以上がすでに劣化しており、2050年までに90%以上の土壌が劣化する可能性がある」と言われています。
また、毎年1200万ヘクタールの土壌が失われており、本来ならばその土地を利用して約2000万トンの穀物が育てられたはずだとも言われています。
土壌の劣化や砂漠化は、新たな植物や穀物を栽培できる量まで減少させてしまいます。
これから人口はどんどん増加していくので、人口増加に伴う食料不足の心配もされています。
生物多様性の減少
国連によると、「現在、8,300の動物品種のうち、8%が絶滅しており22%が絶滅の危機に瀕している」と報告されています。
絶滅危惧種の中には、オラウータンやトラ、ジャイアントパンダ、ホッキョクグマなどよく動物園などで見かける動物もいます。
陸地の自然がなくなることで、動物たちは住処や食料を失うことになります。
また、生物の多様性がなくなることは、食物連鎖が崩壊し地球のバランスが崩れることを意味します。
私たちにできること
私たちができることを3つ紹介します。
- 自然を大切にする気持ちを持つ
- お肉を食べる量を減らしてみる
- 木を植える活動に参加する
一つずつお話していきます!
1.自然を大切にする気持ちを持つ
まずは、自然を大切に思う気持ちからです。
近くの山が好き、畑が好き、公園の木が好きなど何も難しいことはありません。
そこから、好きな自然を守るためにどう行動したらいいのかな?や、どうしたら自然は傷つくのだろう?と考え、調べられるとなおいいです!
ただ自然を大切にしたい気持ちさえ持っていれば、自然を傷つけることはないでしょう。
2.お肉を食べる量を減らしてみる
畜産は土地を使用するだけでなく、土壌の劣化や水質汚染、温暖化にもつながっています。
お肉を完全に食べないヴィーガンやベジタリアンを勧めているわけではなく、お肉を食べる量や頻度を少し減らすことをおすすめしています!
例えば、普段お肉を使っているところを大豆ミートに代用したり、牛乳を豆乳やオーツミルクに代えてみるだけです。
まだ、大豆ミートや植物性食品を使ったことのない方はぜひ使ってみてください。
おいしいので意外と気に入るかもしれませんよ!
※お肉を食べない日や植物由来の食品については以下の記事で書いているので、興味のある方はぜひご覧ください!
3.木を植える活動に参加する
なくなった森林を増やすには、木の苗を植えるしかありません。
木は何年も何十年も生き続けますし、酸素を排出して私たちを生かしてもくれます。
また、家庭菜園や花を育ててみるのもいいと思います。
木の苗を植えるプロジェクトを行っている団体は多くあるのでぜひ調べてみてください!
まとめ
SDGs17の目標の1つ「陸の豊かさも守ろう」についてお話しました!いかがだったでしょうか?
海と同様、陸の豊かさを守ることも大切です。
陸の豊かさといっても、ただ木や森林を増やすことではありません。陸には動物や植物も生息していますよね。
それらすべてを守れるように、持続可能な社会を作っていくことが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
※「平和と公正をすべての人に」については以下の記事で書いているので、興味のある方はぜひご覧ください!