開発途上国「児童労働問題」の現状と原因~私たちにできることとは~
こんにちは!衣食環境ブログのマイカです。
この記事では、開発途上国の児童労働問題についてお話していきます!
この記事は、
- 児童労働って何?
- 児童労働をなくすために私たちにできることは?
といった方におすすめの記事です。
ぜひ最後までご覧ください!
児童労働とは?
児童労働とは、「義務教育を妨げる労働や法律で禁止されている18歳未満の危険・有害な労働のこと」を指します。
しかし、18歳未満の児童が働くことのすべてが児童労働に当てはまるわけではありません。
以下のどれか一つにでも当てはまれば児童労働になります。
【児童労働の基準】
- 15歳未満で義務教育を受けずに働いている
- 18歳未満で危険・有害な労働についている
- 子どもの教育・健康的な発達を妨げるような労働
- 子どもを人身売買や子ども兵士として強制的に働かせる
以上の基準には当てはまらない、学校に通いながらの家のお手伝いや16歳以上のアルバイトは児童労働ではありません。
また、映画やドラマに出ている子役は例外的に認められているので、働いていても児童労働にはなりません。
児童労働は「国連の子どもの権利条約」や国際労働機関(ILO)の条約(138、182号)で禁止されています。
児童労働の現状
国際労働機関(ILO)によると、「2020年、児童労働を強いられている子ども(5〜17歳)の数は、世界で約1億6000万人にのぼり、そのうち7900万人の子どもたちが危険を伴う仕事をしている」といいます。
2020年の日本の人口が、1億2622万7000人なので児童労働の数は日本の人口よりも多いということになります。
【児童労働の詳しい内訳】
- 6300万人が女の子で、9700万人が男の子
- 1億2270万人が田舎に住んでいて、3730万人が都会に住んでいる
- 児童労働の全体の70%にあたる1億1200万人は農業をしている
- サハラ以南のアフリカが一番多く、8990万人が児童労働している
新型コロナウイルスの影響もあり、児童労働は2016年に比べて増加しています。
仕事の内容は家族の手伝いや農作業、家畜の世話、工場勤務などさまざまですが、いずれも子どもでもできる単純作業なので雑用のような仕事が多いです。
子どもたちは学校で教育を受ける時間を削って、労働を強いられています。
児童労働の原因
さまざまな原因がありますが、ここでは3つを取り上げてお話していきます。
- 貧困
- 教育への関心が薄い
- コストを下げるため
一つずつ詳しくお話していきます。
貧困
住んでいる国や地域、自分の家族が経済的に余裕がない場合、生きていくために子どもも働かなくてななりません。
2015年、世界の貧困人口(1日1.9ドル未満で生活している人口)は、7億760万人にものぼると報告されています。
貧困層は、親の稼ぎだけでは暮らしていくことができないので、子どもにも労働をさせなければいけなくなります。
教育への関心が薄い
世界には未だに教育への関心が薄い地域や国があり、「教育を受けるよりも働く方がいい」と教育の優先度が低くなっています。
2018年の時点で、学校に通えていない子どもや若者は約3億300万人いると報告されています。
「学校に行くことで、子どもの将来の可能性を広げることができる」と考えられずに労働をさせて子どもの可能性を潰してしまっているのです。
コストを下げるため
子どもを安い労働力とみなし、コストを下げるために雇用している企業もあるようです。
コストを削減するために、一番しわよせがくるのは人件費です。
安い商品を求めた消費・購買行動が児童労働の原因にもなっています。
児童労働による影響
児童労働による影響を3つお話していきます。
- 健康被害
- 暴力や虐待
- 教育が受けられない
詳しくお話していきます。
健康被害
ゴミ収集やゴミ拾いの仕事では、空気中に紛れ込んでいるウイルスに感染したり、傷口から細菌が入り込むなどの健康被害が後を絶ちません。
また農薬や殺虫剤を使う農業では、小児がん、運動能力の低下、神経発達障害、喘息、肥満、死産や流産などへの影響が報告されています。(Unicef : Understanding the Impactsof Pesticides on Children : 2018)
特に児童労働の70%は農作業をしているので、農薬や殺虫剤による健康被害は深刻な問題です。
暴力や虐待
ILOによると、「多くの児童労働者が雇用主や顧客からの暴力を経験している」と報告しています。
仕事が遅かったりミスをすると、たばこの火を身体に押し付けられたり殴る・蹴るなどの物理的暴力や侮辱する言葉を浴びせられたり、怒鳴られるなど言葉の暴力を受けます。
また、食事を十分に与えないなどの虐待も受けているという報告もあります。
教育が受けられない
本来ならば、学校に行って教育を受けるはずの時間に働かなくてはいけないので、教育が受けられません。
教育を受けていないと、字の読み書きができないまま成長することになります。
15歳以上の識字率(読み書きができる割合)は、世界平均で78%と言われています。
字の読み書きができないといい仕事にも就くことができず、再び子どもに児童労働をさせる生活の悪循環が続く可能性があります。
私たちにできること
児童労働をなくすために私たちができることは、
- 寄付・募金
- フェアトレード商品を買う
- 情報発信
などがあげられます。一つずつお話していきます!
1.寄付・募金
児童労働をなくすためには、寄付や募金は必要になってきます。
児童労働をさせないためにも親の労働場所を用意し、正当な賃金を支払う必要があります。
金銭的な支援は、募金がそのまま開発途上国に行くのではなく、物資や食料に変わって支給されることが多いです。
また、労働場所を用意したりモノを作るアドバイスを行っている団体もあるので、ぜひ調べてみてください!
私がおすすめする団体は、「ワールド・ビジョン」です。
ワールド・ビジョンは、約100カ国で活動する世界最大規模の国際NGO団体です。
主に、世界で困難な状態に置かれている子どもたちを対象に、幅広い国際協力活動を実施している団体ですが、児童労働問題への取り組みも行っています。
「チャイルド・スポンサーシップ」という支援活動を通じて、紛争下にいる子どもたちが健やかに成長できる持続可能な環境を整えることを目指すとともに、「武器」ではなく「知恵」を得ることができるような活動を行っています。
現在では、約50,000人の方が支援活動を行われています。
募金や寄付だけではなく、ボランティアや広める活動といった支援方法もあるので、ぜひ興味のある方は詳細をご覧ください。
2.フェアトレード商品を買う
フェアトレードとは公正取引といい、商品をコストダウンしてではなく対等な対価で売られている商品です。
フェアトレード商品を購入することで、児童労働をしている子どもたちや低賃金での労働を強いられている人たちに、労働に見合った給料が支払われます。
コーヒーやカカオなどがフェアトレード商品としてよく売られているので、購入する際に選んでみてはいかがでしょうか。
※フェアトレードについては以下の記事に書いているので、ぜひ参考にしてください!
3.情報発信
児童労働の現状について知らない方は多いと思います。
児童労働をはじめとする社会問題を解決していくには、より多く人の協力が必要です。
興味がないのではなく知らないだけの方が多いと思うので、あなたがどんどん情報を発信すると興味を持ってくれる方が増えると思います。
意外と一人ひとりの影響力はすごいんですよ!
まとめ
児童労働についてお話しました。いかがだったでしょうか?
児童労働は遠い国の知らない土地の問題だから自分には関係ないと思われていた方にも、私たちの安さを求める消費行動が児童労働の原因になっていることを知っていただけたかと思います。
世界の児童労働の数は日本の全人口以上で、私たちには解決できそうにありませんが、日々のちょっとした行動が児童労働の解決に繋がっていたりします。
できることから一緒に取り組んでいきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!